SHIORIのデビュー物語

テレビでも取り上げられたSHIORIのデビュー物語は、インターネットが身近になり始めた時代ならではのものだ。

『レシピブログで夢をかなえた人たち』(井垣留美子著、レシピブログ監修、ヴィレッジブックス新書)によると、彼女が短大卒業に際し行った就職活動は軒並み不採用。ふと子供の頃から料理することが好きだったことを思い出し、フードコーディネーターを目指すことに決める。

自分と同じ10~20代前半の世代に向けたレシピ本を作りたい。その思いが22歳でレシピ本を出すという具体的な目標につながる。

フードコーディネーター養成スクールに通った後、スクールの講師アシスタントになり、並行して出版社を回る。1年もすると、ファッション誌でレシピの仕事を頼まれるようになる。

そしてブロガーのレシピ本を出している、宝島社の編集者に売り込んだ。すると、まずは料理を知ってもらうためにブログを始めることになったのだ。それが2007年1月。

なるべく毎日更新する。スタイリングも工夫する。出来上がりが想像しやすく、食に保守的な彼氏も喜ぶだろう、定番料理のレシピを中心に発表する。いくつか決めた方針が当たって読者が増え、同年9月に初のレシピ本刊行に至る。『作ってあげたい彼ごはん』シリーズは2年間で累計100万部を超えた。

既存のレシピ本制作者たちが、インターネット発のレシピを脅威と見るようになったのは、2010年代になってからだ。その頃、特に意識されていたのが、クックパッドである。