レシピブログ発の人気料理家たち

2010年代になるとスマートフォンが普及し、手元に置いて確認しながら料理できるようになる。

2010年代半ばには、レシピ動画のサービスが次々と始まる。これで、インターネット上のレシピにも、プロセスが分かりやすい動画という利点が加わる。

真上から撮影する斬新な手法はあっという間に広がり、今は料理のプロセスを見せる定番の手法として、テレビのCMや食の番組などでも使われるようになっている。

レシピブログの世界では、投稿者の中から人気料理家が誕生している。

『作ってあげたい彼ごはん』(宝島社)で「22歳でレシピ本を出す」という夢を叶え、その後結婚・出産もして活躍を続けるSHIORI。

大阪弁の気さくなコメントが、料理へのハードルを下げるsynkonカフェごはん・山本ゆり。『どこにでもある素材でだれでもできるレシピを一冊にまとめた「作る気になる」本』(扶桑社)で、2019年の料理レシピ本大賞in Japanに入賞した。

二人の出世作のレシピ本はどちらも、作り方のポイントやコメントなどが挿入されて、親近感を抱かせる構成になっている。作り手と使い手の距離が近い双方向メディアのインターネットから出てきた料理家であることが、その要因だろう。

やはりインターネットサイトの「ほぼ日刊イトイ新聞」で評判の記事をまとめたのが、フードスタイリストの飯島奈美による3冊シリーズの『LIFE』(ほぼ日ブックス)。レシピが細かく、写真点数が多い。

きめ細やかな情報提供は、文字数の制約が少ないインターネット発ゆえと思われる。インターネットから生まれたヒットレシピ本の影響か、イチから作るレシピ本にも、メモ書きのような体裁でコツを示したり、アンダーラインを引いて、失敗しやすいポイントを伝えようとする本が出てきた。