ネットが料理の世界を変えた

インターネットの登場は、料理の世界も変えた。

マイクロソフト社から使い勝手のよいWindows95が発売されてインターネット元年と騒がれ、誰でもパソコンを使う時代の幕が開いたのが1995年。

グルメとレシピの世界では、早くも1996年にぐるなびがサービスを開始。1998年にクックパッド、2005年に食べログとレシピブログがスタートしている。

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レシピサイトの登場は、家庭料理をどう変えただろうか。

2000年代前半にインターネットの高速化が進んで利用料金が安くなり、パソコンから常時接続できるようになると、レシピを投稿する人も、読んで参考にする人も増えていく。

一般の人がレシピ投稿者にもなれるため、人気の投稿者が料理家などプロになる、という回路も登場する。

レシピを読む側にとって、既存のメディアと違う便利な点は、「この食材で何が作れるのか?」「気になる料理を作る方法は?」といった、ピンポイントの目的に合わせて検索できることだ。

レシピ本は、料理家、編集者、校正者などのプロフェッショナルなスタッフが、何度も料理を試作して確認し、テーマを決めて読みやすく編集した一つの世界観を提示する。

しかし、分厚い本でも、載せられる情報は限られている。和食の本に、シチューの作り方は載っていない。食材ごとの索引が、掲載されていない本も多い。

テレビの料理番組は、使うべき道具がどんなものか一目で分かり、食材の切り方、火の通し具合など、プロセスを観て確認できる動画が魅力だ。

しかし、30分の放送時間で観られる料理の方法は、数種類程度しかない。もちろん、その日作りたい料理が紹介されているとも限らない。

どちらのメディアも、じっくり料理を覚えていくには適しているし、プロの提案という安心感があるが、今の気分に合わせて知りたい情報を見つけるには不利である。