キャッシュレス決済、じつは「むしろ損する人」が急増していた…!

ポイント中毒になった人の末路
横山 光昭 プロフィール

「家計アプリの安心感」という誤算

結果、気が付いたらお金の使いすぎに。コンビニばかりで食べ物を買い、時には日用品も買っていたので、買い物するものの単価が上がり、支出が多くなっていたのです。

しかも、他のものにも目が行き、「お得だからまあいいか」という気持ちによってムダ使いもするようになりました。ポイントが多くもらえる分、支出も多くしてしまいました。

キャッシュレス決済で起こりやすい典型的な失敗です。気づけば収支は、赤字になってしまいました。

 

Sさんはなぜ、使いすぎてしまったのでしょうか。

使いすぎに気が付かなかったのかと振り返ると、「支出状況の確認をしなかったから」。自動で記録されている安心感と、アプリ自体にもどの店でいくら使ったかがすぐに記録で残るので「いつでも確認できる」という安心感で、全体の収支をほとんどチェックしていなかったのです。

私たちはSさんと一緒に、どうすると支出状況をきちんと把握し、コントロールしていけるのかと考えました。

結果、今まで面倒だと思っていた「手書きの記録」をしてみることにしました。普通の家計簿のように細かく分けることはせず、ノートに支出した金額と、何を買うためにそういう決済方法で払ったのかを書いていきます。細かく文字で書くのは大変なので、Sさんはそれぞれに「C(クレジットカード)」「D(デビットカード)」「Q(QRコード」といったように頭文字をマークとして入れて、できるだけ簡単に記録できる工夫もしていきました。

実はお金の管理に有効なのは、毎日、収支バランスをチェックするなど「管理をする癖をつける」ことだったのです。Sさんも初めは大変でしたが、慣れてくると「一日のしめの仕事」としてやらなくてはすっきりしないほどになりました。支出状況がすっきり分かり、無駄もどこにあるのかが見えてきました。

こうなると、家計は案外楽にコントロールできるようになります。