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実録「好き」をこじらせた男の「ややこしさ」の正体

the pillows30周年ライブで思った

こんにちは、高木です。この10月に「the pillows」というロックバンドの30周年記念ライブを見に横浜アリーナに行ってきました。

新著『僕と彼女の嘘つきなアルバム』を上梓した作家の高木敦史さん。デビュー後、紆余曲折を経て現在は年に1冊のペースで執筆を続けています。そんな高木さんは、ロックバンド「the pillows」の学生時代からのファンで、かつては心酔のあまり好きをこじらせていました。大人になった今は社会性も身に付き、かつての「こじらせ」はすっかりなくなったと自負していましたが、あることをきっかけで、いまだ身に纏っていたことを思い知ったのです……。
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「好き」=「弱点」

「the pillows」——ピロウズは1989年に結成され、その後リーダーの脱退や何度かのレコード会社移籍を経つつも、30年間、ほとんど休むことなく活動し続けてきました。

結構長い間、年に一枚ペースでアルバムを出していたし、勢い余って年二枚出しちゃったときもあります。また2001年に発売されたアルバム「Smile」は更に勢い余ったのかいきなり発売日が一週間くらい前倒しになって、あのときは嬉しいサプライズでした。

 

彼らとの出会いは1996年、私が高校二年生のときです。当時NHK-FMで「ミュージックスクエア」というラジオ番組が放送されていて、そのパーソナリティである中村貴子さんが番組でよく流してくれていたのがきっかけです。

1993年にユニコーンが解散し、入れ違いくらいのタイミングでMr.Childrenが「innocent world」で大ブレイク、続けてスピッツの「ロビンソン」、シャ乱Qは「シングルベッド」、ウルフルズが「バンザイ」と続々とミリオンヒットを飛ばし、日本は何度目かのバンドブームを迎えていました。

そんな時代の最中に出会い、「次に来るのはピロウズだ!」と思っていたのも遠い昔。現在では「永遠のブレイク寸前」と揶揄される彼らのブレイクを目の当たりにすることなく今に至ります。

どうして売れなかったのかを考えたこともありますが、それはここでは重要ではありません。なぜなら、爆発的に売れなかったことでピロウズは、私の中でより「とっておき」の存在となっているからです。