クリスパー発明者が創業した企業による快挙
ゲノム編集技術「クリスパー」を使って2種類の遺伝性疾患を治療することに、欧米の研究チームが成功した。
研究チームは「予後の経過を見極める必要がある」と慎重な姿勢を見せているが、それらの病気は治癒した可能性が高い。これまで歯が立たなかった難病を、遺伝子レベルで治療する新たな時代が幕を開けたとの見方が強まっている。
2012年頃に米仏の科学者らによって開発されたクリスパーは、いわゆるゲノム編集技術の最新モデル。従来の「遺伝子組み換え技術」に比べて、桁違いに高い精度で生物のDNA(ゲノム、遺伝子の総体)を操作することができる。
今回この技術を使って、スイスの医療ベンチャー「クリスパー・セラピューティクス」と米国のバイオ・ベンチャー「ヴァーテックス」が、2種類の血液疾患を対象にした新たな治療法を開発した。

因みにクリスパー・セラピューティクスは、クリスパー共同発明者の一人、エマニュエル・シャルパンティエ博士らが創設した企業だ。