12月 8日 高速増殖炉「もんじゅ」でナトリウム漏れ事故(1995年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1995年の今日、福井県敦賀市の日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」で、二次冷却系での温度計の破損によって金属ナトリウムが漏洩し、火災となる事故が起きました。

もんじゅは、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX燃料)を使用し、消費した量以上の燃料を生み出すことのできる高速増殖炉の実用化(発電などの商用)のための研究用原型炉で、日本で2番目の高速増殖炉です。動力炉・核燃料開発事業団(動燃)が開発し、1991年5月18日に運転を開始、1994年4月に臨界に達しました。

高速増殖炉としての安全性や発電性能を実証し、また、発生する中性子を利用した核変換技術などの研究の場としても期待されていました。しかし、翌年には、試験運転中に冷却材のナトリウム漏れ事故を起こし、早々に運転停止に追い込まれます。

 

動燃は事故後に、虚偽の報告をするなど度重なる隠蔽工作をしたため、科学技術庁は動燃改革検討委員会をつくり、動燃組織の見直しを進めます。その結果、新型転換炉「ふげん」事業は廃止され、高速増殖炉や核燃料サイクルの開発は新法人の核燃料サイクル開発機構へと移行。動燃は1998年9月30日に解団されました。

その後、運転再開のための本体工事がようやく2007年に完了し、2010年5月6日に2年後の本格運転を目指して運転を再開しますが、事故やトラブルが続発。2010年8月の炉内中継装置落下事故が起きて、再び稼働ができなくなりました。

その後、2011年に起きた東京電力福島第一原発事故で、原子力行政の見直しが進み、ついに2016年12月21日、廃炉が正式決定されることになります。

【写真】もんじゅもんじゅ photo by gettyimages

「夢の原子炉」と言われ、莫大な税金が投じられた「もんじゅ」ですが、結局、実稼働日数はわずか250日でした。現在も日本国政府は、使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル事業」は継続する方針を打ち出しており、「高速実証炉」の開発に着手するそうです。同じことの繰り返しにならなければよいのですが……。