「プリキュア男子」が普通の時代

そういえば少し前、ツイッターで「男の子だってプリキュアになる時代」だと盛り上がっていたのをご存知だろうか。

「Hugっとプリキュア」アニメの19話はジェンダーに切り込んでいると話題になった 

そう、「女の子向け」の大人気アニメ『プリキュア』で、「男の子」がプリキュアになったのだ。これまた衝撃的な話ではあるが、いまの子どもたちは、そういう価値観のなかで育っている。

では、もしわたしに子どもがいたらどうだろう。「ママぁ、男の子がプリキュアになってる~。ヘンだよねぇ」なんて言われたら? ちゃんと、「男の子がプリキュアになったって、女の子がヒーローになったっていいんだよ」と言えるんだろうか。「本当だ、めずらしいねぇ」なんて言ってしまわないだろうか。

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自分自身が「古い価値観から解放されつつある若い世代」だと自負していただけに、自分が「古い価値観を押し付けてしまうかもしれない」と思うと、不安になる。

「女の子なんだからおしとやかに」とか、「男の子は泣いちゃダメだぞ」とか、そうやって「男女はこうあるべき」という呪いをかけてしまわないだろうか……。

「女性も働く時代」「男性も育児をするのが当然」という世の中の流れを知っていても、いざ会話するとなれば、「旦那さんが子ども預かってるの? 理解があっていいねぇ」なんて言ってしまう人もいるだろう。そういう「現在の価値観に適応していない人」は、将来のわたしかもしれない。

若い世代に対して悪意なく、自覚なく、更新前の価値観をもとに「こうあるべき」という呪いをかけてしまっている人はきっと、思っている以上に多い

しかも、世代間のギャップを埋める機会というのもなかなかないから、古い価値観を最新バージョンだと誤認したままでいる可能性だってある。

たしかに、自分が信じているものを否定されたら腹が立つかもしれない。まったくちがう世界を見ている人の気持ちを推し量るのもむずかしい。自分にとっては当然すぎて、「押し付けている」という自覚すらないこともあるだろう。

でも、時代は変わる。いや、いままさに変わっているのだ。

だから、「自分のなかの常識はすでに古いのかもしれない」という自覚はつねにもっていたいし、「若い世代のよくわからない感覚を楽しむ」というお茶目な大人でいたい。

名も知らぬ自撮り男子よ、教訓をありがとう。

雨宮さんは27歳で気づいたことに、ずっと気づかず「自分の価値観が絶対」と思っている人もいるかもしれない。その気づきが、世代の壁を間違いなく低くする Photo by iSotck