その世代にはその世代の「今の価値観」がある

でも、現実はどうだろう。わたしはまだ20代ではあるけれど、いま現在の子どもたちは、さらに新しい価値観のなかで生きている。男子同士が自撮りして、加工してSNSにアップするのだって、なんら違和感のないことなのかもしれない。

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そうそう、いっしょにゲームをした女子高生が「台所は女の城」という表現を知らず、「なんで城なんですか?」と聞き返してきてびっくりしたことがあった。

聞いてみれば、シングルマザーの家庭で母親の帰りが遅く、家で出される料理はわりとあっさりしたものが多いらしい。それを聞いていた男子高生も、「うちも共働きだからいつもメシは適当だわ」と同意していた。

公立中学校で家庭科の授業を男子も受けるようになったのは1993年。長い間「男子厨房に入るべからず」がもっともらしく言われていた Photo by iSotck

わたし自身は「共働きが前提」だと思っていても、わたしの親世代は「寿退社から専業主婦」が当たり前の時代。いつも学校から帰れば、夜ご飯をつくっているお母さんが出迎えてくれていた。親が離婚している家庭もほとんど聞いたことがなかったし、そういう話題はタブー化されている雰囲気すらあった。

でもいまの子どもたちにとって離婚はそれなりに身近で、家に帰っても親が仕事でいないのも、めずらしいことじゃないのだろう。

そうか、わたしの価値観はもう、「最新」ではないんだな……。

そう思うと、なんだかちょっと怖くなってきた。「イマドキの価値観についていけていない人」を笑うことが、特大ブーメランとなって自分に返ってくるかもしれない。自分が信じているものは、もうすでに時代遅れなのかもしれない。

価値観は、更新していかないとすぐに古くなってしまう。でも、パソコンのアップデートのように、「最新バージョンがあります。ダウンロードしますか?」なんて聞いてくれるわけじゃない。だから、自分自身で気づかなくてはいけないのだ。「自分の価値観が最新バージョンであるとはかぎらない」と。