12月 4日 アメリカの生物学者アルフレッド・ハーシー誕生

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

微生物と遺伝が専門である、アメリカの生物学者アルフレッド・D・ハーシー(Alfred Day Hershey、1908-1997)が、1908年の今日、誕生しました。

 

のちにいわゆる"ハーシーとチェイスの実験"で、遺伝情報を保持するのはDNAであることを証明した人物です。

【写真】
  アルフレッド・D・ハーシー photo by gettyimages

ハーシーは、ミシガン州中部の街オーウォソーに生まれました。ミシガン州立大学で化学の博士号をとったのち、ワシントン大学医学部細菌部門で微生物研究の道に入りました。

ハーシーは、彼の論文を読んで共同研究を提案してきたイタリア出身の生物学者サルバドール・E・ルリア(Salvador Edward Luria、1912-1991)、ドイツ出身で物理学から生物学に踏み込んだマックス・L・H・デルブリュック(Max Ludwig Henning Delbrück、1906年9月4日 - 1981年3月9日)とともに、当時まだ研究対象とすることの少なかった細菌に感染するバクテリア・ファージの研究をはじめました。

【写真】ハーシーと、デルブリュック、ルリア
  左からデルブリュック、ルリア、ハーシー。ノーベル賞を受賞した1969年ごろ photo by gettyimages

彼らは1940年、2つの異なった株のバクテリオファージが1つの細菌に感染すると、2つのウイルス間で遺伝情報を交換することを発見しました。これは、ファージ遺伝学の新たな領域につながり、3人が1969年度のノーベル生理学・医学賞を受賞する理由のひとつとなりました。

ハーシーはニューヨークのコールド・スプリング・ハーバー研究所に移り、1952年に研究所の助手だったマーサ・C・チェイス(Martha Cowles Chase、1927-2003)とともに、"ハーシーとチェイスの実験"に着手。DNAとタンパク質のどちらが遺伝情報を担っているのかを明らかにしました。

【図】バクテリア・ファージ
  バクテリア・ファージの概略図

それまで、どちらかというと遺伝情報はタンパク質にあると考えられていたのが、この実験によって、DNAが遺伝情報を担っていることがはっきりと証明されたのです。

1962年、ハーシーは、コールド・スプリング・ハーバー研究所の遺伝学研究ユニットの主任になり、その執筆能力の高さから、実験だけでなく論文や著書の執筆などでも、同僚や後輩を支援しました。

また、クラシック音楽の鑑賞や庭いじり、木工細工などの多彩な趣味を楽しんでおり、ほかの分子生物学者とは違った一面も持ち合わせていたようです。

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