トヨタウォレットが「まるで7payのよう…」と不安視される理由

肝心のトヨタの顔が見えてこない
岩田 昭男 プロフィール

まるで『7pay』を思い出す

まず、これがトヨタの考えるコネクテッドカーだという新しいビジョンを見せるということから始めなければならないはずです。トヨタ内部で考え方がまだ一つにまとまっていないのではないか、という推測も成り立ちますが、トヨタの今回の動きは筆者の期待を裏切るものでしかありませんでした。

少し細かいことをいえば、「トヨタウォレット残高」で使えるiDは、これまでトヨタの敵陣営であった三井住友カードとNTTドコモが提携して発行・運営している電子マネーでした。そんなことも含めて不自然なことが多すぎるのです。

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ある業界関係者は「今回のトヨタの発表は既視感がある。何かと思ったら『7pay』と同じだ」と言います。確かに、表向きだけそろえてこれを皆さんぜひ使ってください、というところが似ています。

とにかく、筆者には本来主役であるはずの「トヨタ自動車の姿」が見えてこないのです。トヨタウォレットがコネクテッドカーにどう関与していくのか、それがまったく見えません。たとえば、ETCカードと組み合わせてこんなことができます、このアプリを使えば燃費が格段に向上します、といったことでもあれば、少しは関連性が感じられます。

 

トヨタはソフトバンクと配車サービスを行う「モネ・テクノロジー」という合弁会社を設立しています。こうした先進的な取り組みを生かしたキャッシュレス決済サービスを立ち上げることはできなかったのでしょうか。

トヨタに対する期待が大きかっただけに少し残念であり、トヨタウォレットの前途は多難だといえます。