トヨタウォレットが「まるで7payのよう…」と不安視される理由

肝心のトヨタの顔が見えてこない
岩田 昭男 プロフィール

日本のクレジットカードの歴史を変えたトヨタ

筆者は、ポイント還元事業が始まってキャッシュレス決済が本格化すれば、QRコード決済事業者の再編を促すだけではなく、日本の産業の形を変えるきっかけになるのではないかと密かに期待していました。

ヤフーとLINEの統合、それを迎え撃つ楽天とSuica、という構図に加えてのトヨタの登場。これで本当に日本の産業の変化に火が付く、と思ったのです。

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私はトヨタに対する思い入れが人一倍強いのです。というのは、1990年代にトヨタが日本のクレジットカードの歴史を変えたからです。

かつてクレジットカードのポイントは、カードを発行した店でしか使えないなど、非常に制約が多いものでした。そこにトヨタが「ブランドカード」というものを発行したのです。

これは提携カードのひとつで、2つの企業が提携してポイントを提供するといったことが可能になります。トヨタはカードの加盟店をたくさんつくっていろいろなところでポイントが使えるようにしました。

 

それが「TS CUBICカード」で、クレジットカード業界で非常に大きな存在になったのです。ですから、今回もトヨタは画期的な商品を出すのではないかと大いに楽しみにしていたのです。

実は今年の5月時点ですでに、トヨタが「TSペイ」というQRコード決済を出すという話が出ていました。そこで、まだかまだかと楽しみに待っていたところへ、今回のトヨタウォレットの発表があったので、心の中では「さすがトヨタ」と喝采を送りました。ただし、その中身を見るまでは、です。