韓国からの「訪日客激減」は、日本経済にどれだけ影響を与えたか…?

数字で見ると「限定的」でした
高安 雄一 プロフィール

しかし、7~9月期に4割程度の訪日客が減少したわけであるので、10~12月に季節調整済前期比ベースでさらに継続して同様の影響を日本経済に与えるためには、同程度の訪日客が減らなければならない。

具体的には10~12月期の韓国からの訪日客が、前年同期比で見て、4割+4割で8割減になる必要がある。理論的には存在する数値であるが、現実的に考えれば、ここまで減少する可能性はほとんどないであろう。よって韓国からの訪日客減少の影響は10~12月期に前期比ベースではほぼなくなると考えることが妥当である。

もちろんマクロでの影響は限定的であるが、ミクロの影響はある。韓国からの訪日客が比較的多く来ていた九州を中心とした観光地の、宿泊業、飲食業、小売業、観光業などの影響は大きいと考えられる。

〔PHOTO〕iStock
 

しかしマクロで見る限り、GDP成長率が伸び悩んだ理由のひとつに上げられるほど、日韓関係の悪化による韓国からの訪日客の減少は日本経済に影響を与えてはいないとともに、わずかな影響も10~12月にはほぼ消える。

GSOMIAの失効は回避されたが韓国からの訪日客が減少した状況が回復することは、しばらくなさそうである。これは日韓関係にとって残念なことではあるが、日本経済への影響については過大評価する必要はなさそうである。