韓国からの「訪日客激減」は、日本経済にどれだけ影響を与えたか…?

数字で見ると「限定的」でした
高安 雄一 プロフィール

また観光庁によれば、2018年に韓国からの訪日客が日本で消費した金額は5881億円であり、宿泊費として1880億円、買物代として1626億円、飲食費として1502億円を費やしている。これも季節性はあろうが、四半期での消費金額は平均で1500億円程度であろう。

7~9月については平均して4割程度の訪日客が減少しているが、少し多めに5割減と考えると、750億円ほどの日本での消費が減ったことになる。これは四半期のサービス輸出の1.5%であり、ざっくり見れば、7~9月のサービス収支の減少率である4.4%の3分の1程度を占める。

つまり幅を持ってみる必要はあるが、韓国からの訪日客の減少による影響は、サービス収支の減少の3分の1程度を説明する程度であり、GDPを引き下げる効果は0.1%を大きく下回り、影響は小さいと考えることが妥当であろう。

サービスの輸出の内訳は、訪日客の宿泊費や飲食費などの受け取りのみならず、国際貨物・旅客運賃の受け取り、特許権や著作権の使用料の受け取りなどがあるが、内訳については公表されておらず、何が原因で今回、サービス輸出が減少したかは確認できない。しかし常識的に考えれば、7~9月期のサービス輸出の減少は韓国からの訪日客の減少のみならず、その他の影響も大きかったと見るべきであろう。

 

影響は長続きしない

第二に韓国からの訪日客の減少が7~9月期のGDP成長率(前期比)に与えた影響は10~12月期以降には継続しない点についてである。7~9月期に韓国からの訪日客の激減が始まった。これはGDP成長率を引き下げる効果としては0.1%を大きく下回ると推定され、影響は小さいと考えられるが、これが継続すればそれなりの影響になるのではないかという考えもあろう。