韓国からの「訪日客激減」は、日本経済にどれだけ影響を与えたか…?

数字で見ると「限定的」でした
高安 雄一 プロフィール

一般的に訪日客は、日本で宿泊、飲食、買い物などを行うが、これらはGDP統計上、「財貨・サービス輸出」の中の「サービスの輸出」となる。ちなみに買い物は財貨の輸出に入りそうであるが、GDP統計では外国人による日本での直接購入はサービスの輸出に含まれる。

2019年7~9月期のサービスの輸出は前期比で4.4%減少しており、GDP成長率に対する寄与度(GDPの増減のうちサービスの輸出が与えた影響)は-0.2%であった。そして、複数の報道では、サービス輸出の減少要因として、韓国からの訪日客の国内消費が日韓関係の悪化などで減少したことが挙げられている。

そうであれば日韓関係の悪化は日本のマクロ経済にも影響を与えており、ただでさえ米中貿易摩擦により旗色の悪い日本の景気にとって、さらなる悪条件が重なったともとれる。

しかし結論を先に示せば、「韓国からの訪日客の減少は2019年7~9月期のGDP成長率に与えた影響は小さい」、「韓国からの訪日客の減少が7~9月期のGDP成長率に与えた影響は10~12月期以降には継続しない」と言え、韓国からの訪日客の減少が日本のマクロ経済に与える影響は限定的である。

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寄与度は0.1%を大きく下回る

第一に韓国からの訪日客の減少は2019年7~9月期のGDP成長率に与えた影響は小さい点についてである。財貨・サービス輸出のうちサービス輸出は2018年の名目値で20.0兆円であり、財貨・サービス輸出の19.8%、GDP全体の3.7%を占めている。季節性があるものの四半期でのサービス輸出は平均すれば5兆円程度であろう。