2019.11.29
# 米国

トランプ弾劾、いよいよ「待ったなし」になってきたワケ

アメリカの憲法と国家を守るために
橋爪 大三郎 プロフィール

アメリカの憲法と国家を守るため

第一に、民主党は弾劾を始めるとき、そのシナリオも織り込みずみである。

上院で、三分の二で可決される見込みがまるでないのに、弾劾に踏み切るのは愚策だ。民主党はそれも十分考えた。それでも弾劾に踏み切ったのは、民主党の党利党略でない。トランプ大統領をこのままにしておくのは、アメリカにとって危険だと考えたから。アメリカの憲法と国家を守るため、である。

上院で弾劾が否決されるとしたら、それは共和党の責任だ。歴史がそれを裁くだろう。否決されるリスクは、元より覚悟のうえだ。

〔photo〕gettyimages

第二に、トランプ政権は、伝統的な共和党の政策と路線が異なる

トランプがシリアのトルコ国境から米軍を撤退させたとき、共和党主流の政治家たちは「信じられない」「なんという決定だ」「同盟者のクルド人を見捨てる気か」と怒りを隠さなかった。

共和党に相談もない。これまでの政策との整合性もない。トランプの思いつきを優先する。しばしば陰謀論(コンスピラシー・セオリー)に左右されている。

 

ウクライナの件も、トランプの独断専行だ。大統領の私的弁護士ジュリアーニ(元ニューヨーク市長)が音頭をとって、国務省の頭越しに事を進めた。対ロシアの大切な同盟国を踏みつけにするやり方に、共和党は大いに不満である。

共和党の大勢が、トランプ大統領にいつ見切りをつけても、おかしくない。弾劾の成否は、共和党上院議員の動向にかかっている。

SPONSORED