2019.11.29
# 米国

トランプ弾劾、いよいよ「待ったなし」になってきたワケ

アメリカの憲法と国家を守るために
橋爪 大三郎 プロフィール

2020年選挙への影響

トランプ政権は、関連文書の提出やホワイトハウス職員の証言を拒否し、弾劾調査に非協力を続けている。ペンス副大統領、ボンペオ国務長官、マルバニー首席補佐官代行がトランプの周りをがっちり取り囲み、尻尾を掴ませない。

下院の情報委員会の召喚に応じて証言したのは、国務省や国防省の職員だった。ソンランド大使は、トランプ側の人間だ。その証言から、アメリカの国益や外交常識そっちのけで、自分の政敵を追い落とす謀略ばかりを外国政府に強要するトランプ政権のあきれた実態が、一般の人びとにも明らかになった。

〔photo〕gettyimages

ホワイトハウスや共和党のトランプ支持グループは、弾劾は民主党の党利党略だ、と文句を言ってきた。「伝聞だけで直接の証拠がない」とか「脅し(クイド・プロ・クオ)ではない」とか「腐敗の疑惑を調査するのは当然じゃないか」とか。

告発者(ウィッスル・ブローワー)の手紙はたしかに、伝聞にもとづくかもしれない。でも、召喚されたおおぜいの証人は、直接見聞きしたことを証言し、告発の内容がその通りだと裏付けた。

軍事援助の凍結は、バイデン疑惑を調査しろという圧力で、脅し(クイド・プロ・クオ)だという証言もあった。共和党が当初言っていた言い逃れは、通らないことがはっきりした。

民主党は、容疑がほぼ固まったとして、クリスマスまでに下院で弾劾の投票を行なう構えである。共和党は、どう対応するだろうか。

 

下院の共和党は、弾劾が下院の本会議で、民主党の賛成多数が可決されるのが確実なので、実は気が楽である。安心してトランプ擁護に回り、政権と共和党に忠実なところを見せればよい。

上院はどうだろう。共和党の上院議員が結束すれば、反対多数で弾劾を阻止できる。弾劾が失敗すれば、民主党に打撃だ。逆風で、2020年の選挙で議席を失うだろう。トランプも再選されるに違いない。一致団結・正面突破が、共和党にとって理想的なシナリオだ。

だが、そうなるかどうかは、わからない。

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