入社後の定着率を左右するのは「巻き込み主体力」にあった

内定も入社も、ゴールじゃない
田中 瑠子 プロフィール

ミスがあっても…

活躍できる人材(3)
自責で考える「向き合う力」

与えられた持ち場に責任を持つことは、経験やスキルのない社会人1年目がまず戸惑うことだ。時間を守る、納期を守るなど、決めたことを有言実行でやり切ることが、人と人との信頼関係のベースになる。

「ミスがあっても、どうしたら次につなげられるかと考えられるかどうかが重要です。実践し、失敗し、改善策を考え次の行動に移す、PDCAは成長のキーになる。自責で考え、PDCAを回すクセをつけること、そしてその回数の多さが、活躍を後押ししてくれます。素直な子だと、尚更成長スピードが顕著ですね」

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活躍できる人材(4)
自分の価値はいくらなのかを考える「価値可視化力」

仕事とは、働くとは、「お金をいただく」こと。どうしたら自分の労働に対して対価をいただけるだろう、と考える力が、社会人1年目からプロ意識を育てるという。

「ReaLでは、農業、漁業、林業などの一次産業の体験があります。農家さんのスケジュールに合わせて早朝から畑に入り、収穫する。『農業は大変だな』で終わるのではなく、そこから地元に収穫した作物を運送し販売もします。生ものなので時間は有限。企業の社員食堂に販売場所提供の営業をかけたり、人気のイタリアンバルやサラダバー設置のレストランと交渉したり。販売場所を確保し、実際に社会に対して売ってみる。売上は全て次に農業体験に行くReaLの学生のために確保される、という仕組みです。

すると『いままでの友人関係が思ってもみないところで役に立った』『農家さんと企業側、双方に価値を提供する難しさを実感した』という感想がありました。どうしたらお金になるか、自分の今の価値はいくらかのか、という内省はとてもクリエイティブなんです。その感覚を社会人になる前に味わっている人材は、自分で考え、主体的に動く力がついていると思います」

企業がスキルや経験のない新卒に期待しているのは、自ら周りを巻き込む行動力と発信力。自ら動く人に仕事は集まり、成長の機会が増えていく。その好循環が、キャリアを築くうえで大いに力になることだろう。