入社後の定着率を左右するのは「巻き込み主体力」にあった

内定も入社も、ゴールじゃない
田中 瑠子 プロフィール

「新卒1年目」の姿が見られている

一方で、企業側も新入社員の「定着率」をより重視する傾向にある。就活を通じて、就活生は「新卒1年目に求められる力」があるかどうかを見極められているのだ。それは、具体的にどのようなものなのだろう。実践型就活&キャリアデザインゼミナール「ReaL(リアル)」代表の西村武士さんに聞いた。

西村武士(にしむら・たけし)1977年生まれ。2000年、成蹊大学法学部法律学科卒業。トヨタ東京カローラ株式会社を経て、2002年、株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア)に転職し、キャリアコンサルタントとして活躍。現在は株式会社メグラボ代表取締役として人事・採用コンサルティング、組織変革・研修企画を実施。また2004年から「社会で活躍する人材を育てる」というコンセプトに全国学外キャリアデザインゼミ「ReaL」の運営を行い、現在までに全国16地域、1080名の新卒社会人を輩出。1社目の定着率92%という成果を上げている。
 

「多くの学生たちが内定獲得を目指して盲目的になっているように感じます。目指すべきは、『入社直後から活躍できる社会人』。あくまでも、内定はゴールではなくスタートなのだと自覚しておくことが大切ですね」

これは自身の後悔と挫折体験でもある――そう西村さんは話す。大学卒業後に大手自動車メーカーの販売会社に入社したものの、のちに転職。企業研究が足りずに大手の看板のみに惹かれた結果だった。想像していた環境とは180度異なる場に圧倒された悔しさが今を作っているという。

「就活中は、具体的な業務内容も調べず、大手の冠に目がいっていた。早く就活を終わらせたいからこれでいいやと、自分の将来を自分で考えるマインドは一切ありませんでした。ただ、入社後すぐに後悔が押し寄せてきた。クルマの仕組みに興味があったわけでも、訪問販売に就きたかったわけでもないのに、なぜこの道を選んでしまったのかと。

自分が責任を持って自分の行動を決めなければ、仕事の大変なシーンで踏ん張れない。それを実体験として味わったことで、『後輩たちには、社会人1年目、いや、1日目から発信・発話・発動できる思考のクセを身につけてほしい』と考えるようになったんです」