寺岡呼人が語る…LINEでつながった50代が「バンド」を組んだら

新バンド・カーリングシトーンズ誕生譚

飄々としていて、肩の力が抜けていて、ユーモラスで、けれどキメるときにはビシっとキメる。そういう大人の男のカッコよさは、どうしたら身につけることができるのか。

その、一つのロールモデルと言えるのが「カーリングシトーンズ」だ。

カーリングシトーンズとは、寺岡呼人、奥田民生、斉藤和義、浜崎貴司、YO-KING、トータス松本の6人によって結成された新バンド。音楽シーンの第一線を走り続けるミュージシャンによる「スーパーバンド」である。昨年に結成され、このたび全曲新曲によるデビューアルバム『氷上のならず者』が完成した。

6人は所属事務所やレコード会社もバラバラだ。それぞれの活動も多忙で、スケジュールを合わせることすら一苦労だったという。それでも、合宿レコーディングを経て完成したアルバムには、不思議なほどの“バンド感”が宿っている。青春を共にした仲間たちのような佇まいがある。

アルバムにあわせ、創刊60周年を迎えた『週刊少年マガジン』とのコラボレーションによるスペシャルブック『壮年マガジン』(講談社刊)も発売される。こちらは寺岡呼人が編集長をつとめ、メンバーそれぞれのインタビューや撮り下ろし写真に加え、メンバーそれぞれのヒーローだったタイガーマスク・佐山サトルとの対面など、さまざまな企画を実現した一冊だ。

メンバー全員50代。同世代の仲間が集まった彼らの「カッコよさ」の源泉を、リーダー寺岡呼人への取材で探る。

(取材・文/柴那典、写真/神谷美寛)

寺岡呼人(てらおか・よひと)
1968年2月7日生まれ。自身のアーティスト活動と並行してプロデュース活動を行い、ゆず、矢野まき、ミドリカワ書房、上村花菜「トイレの神様」、グッドモーニングアメリカ、八代亜紀など多彩に手掛ける。また、自身を中心とした3世代が集うライブイベント『ゴールデンサークル』を2001年に立ち上げ、松任谷由実、小田和正、中井戸麗市、桜井和寿、奥田民生、斉藤和義、backnumberなど多くのアーティストが参加。再結成を果たしたJUN SKY WALKER(S)ベーシストとしても活動。
 

会社もバラバラなメンバーが…

――アルバムが完成しての手応えはどんな感じでしたか。

「よくここまで辿り着いたな」というのが、まずいちばんの感想ですね。このプロジェクト自体、レコード会社もバラバラなメンバーが集まったグループで、それぞれの会社の枠組みを超えて作品を出すこと自体あまり前例がなかったと思うので。

喩えるなら、サントリーとキリンとアサヒがコラボしてビールを作る、だけど違う会社から出す、みたいな話と同じです(笑)。これは音楽界のためにいいなという気持ちで始めましたけど、理想はあっても現実に落とし込むのはなかなか大変だった。それは終わってみて思うことですね。

――「音楽界のために」という気持ちがあったとおっしゃいましたけど、どんな意義を感じていたんでしょうか。

実行できるかどうかっていうのが、すごく大切なことだと思うんです。たとえば「いつかドリームチームを作ろうぜ」って飲みの場で言っていても、なかなか現実にならないことが多い。

でも、「そうなったら絶対にみんな幸せになるんだ」って思いがあれば叶う。社会的意義というよりも「想ってればできるんだな」っていうのを感じてもらえればと思います。

なにより、音楽ファンが幸せな気持ちになってくれるはずだと。