香港理工大の内部。学生が立てこもり、火の手が上がった〔PHOTO〕Gettyimages
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香港区議選は「民主派大勝」、そのウラで続く「市民たちの対立」

現地で見えたこと

今年6月以降、政府への抗議デモが続いていた香港で24日、区議会議員選挙が行われ、民主派が大躍進を遂げた。そんな区議会議員選挙を前に、私は香港で1週間、一般市民と同じように過ごした。

滞在中には、理工大学に学生など抗議者が籠城し、警察が大学を包囲するという事件が起きた。日本を発つ前、周囲から「この時期に香港に行くのは危険では?」と心配されたが、香港は私が20代の一時期を過ごした第2の故郷。路地裏まで自在に歩くことができるほど慣れ親しんだ場所だ。

そんな愛しの香港は今、街中でデモが起きているのだろうか? 香港の友だちはどんなふうに生活しているのか? ニュースでは報道されない香港の日常を自分の足で歩き、確かめてみたかった。

 

落書きと破壊

「あぁ、こんなところにも……」

入場を厳しく制限している香港国際空港は平穏そのものだった。心配していた市内行きのエアポートエクスプレスは通常運行しており、九龍(カオルーン)駅で下車。そこからタクシーに乗り、九龍地区にある尖沙咀(チムサーチョイ)のホテルへと向かったのだが、乗車してすぐ、オフィスビルの壁や柵、地面などにたくさんの英語や広東語の落書きがあることに気づいた。

「抵抗」「自由」「freedom」……

黒や赤のスプレーで書き殴られた落書きは、きらびやかな観光都市・香港には似つかわしくない異様な光景だ。「香港は死なず」という日本語の落書きも見つけた。日本語がわかる学生が書いたものなのか。 10カ月前の今年1月に来港したときには見かけなかった。

香港の有名ホテル、ペニンシュラホテル付近、地下鉄駅の入り口などの目立つ場所にも、たくさんの落書きが見られた。以下は私が撮影した落書きの一部と、デモで壊されたボックスのようなものだ。