ねこが歌舞伎を怪演する「世にも奇妙な」こわい絵本の中身

恐ろしいのに、思わずなごむ

かぶきねこづくし

日本一の大劇場を目指し、1889年(明治22年)に開場した東京・歌舞伎座。

明治・大正・昭和・平成・令和と櫓を上げ続ける歌舞伎の殿堂だが、2013年に新たに生まれ変わった歌舞伎座は、高層タワーを併設し、インバウンドや若い歌舞伎ファンも取り込んで連日にぎわいを見せている。

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その建て替えに伴って地下2階に誕生した〈木挽町広場〉は、東京メトロ日比谷線・都営地下鉄浅草線「東銀座」駅とダイレクトにつながり、芝居客でなくとも気軽にのぞくことができるショッピングエリア。歌舞伎グッズや土産物が所せましと並ぶそのなかで、人気を集めるのがイラストレーター吉田愛さんが描く〈かぶきねこづくし〉グッズだ。

単にかわいいだけではない、ふてぶてしさも持ち合わせた愛嬌いっぱいの猫たちが歌舞伎の名場面を演じる図柄は、猫好き、芝居好きを問わずつい手を伸ばしてしまうという……魔性の魅力を持っている。

 

ファンは広がり、2017年にはかぶきねこのキャラクターを活かした初書籍『どこじゃ? かぶきねこさがし かぶきがわかるさがしもの絵本』(文・瀧晴巳×絵・吉田愛)が発売。

愛らしいかぶきねこたちが熱演するカラーの舞台絵とともに、歌舞伎の代表的5演目である『勧進帳』『義経千本桜』『青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)』『菅原伝授手習鑑』『仮名手本忠臣蔵』を初心者にもわかりやすく解説し、無数の猫で埋め尽くされた舞台絵の中から指定された〈さがしもの〉を見つけ出すという仕掛けつきで大好評を得た。

その待望の新作『怪談 かぶきがわかるさがしもの絵本2』がついに発売となった。

前作『どこじゃ? かぶきねこさがし かぶきがわかるさがしもの絵本』に採用されなかった歌舞伎狂言の名作は数あるが、シリーズ二作目にしてテーマは大胆にも〈怪談〉。これは、コワイもの好きな子どものみならず、大人でも見逃せないだろう。