電話も1分おきにコールが……

着信に気付かず電話をスルーしようものなら、「出るまで1分おきくらいの勢いで」繰り返し電話がかかってきた。慌てて出ると、「なんで出ないんだよ!」と怒鳴られ、何時間にもわたって文句を言われる。「どうにか理由を付けて強引に切ってもかけ直してくるんです。常に追われているようで、本当に気が滅入りました」。彼からプレゼントされたアクセサリーを常に身に付けることも若林さんに課せられた「義務」だった。

「彼の束縛エピソードなら、延々と話し続けられます」

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最も苦痛だったのは、「毎日会うことを求められることでした」。元カレはやりたいことが見つからないという理由で大学を休学中。バイト以外の時間は自宅でゲームや漫画などに明け暮れていた。一方、アパレル関連の職業に就くことを目標にして上京した若林さんは専門学校に通っていて、バイトで学費を賄っていた。常に予習・復習に追われる日々で貫徹することも少なくなくなかったという。

「同じバイト先で働いているとはいえ、私たちの生活のサイクルはまったく違っていました。疲労困憊していた私は自分が置かれている状況を彼に説明し、それでも週末には可能な限り会う時間を作るようにはしていたんです」

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若林さんが丁寧に説明すると、彼は「わかった」とぽつり。その場では納得しているように思えた。しかし、しばらくするとそんなやりとりはなかったかのように、「『会いたいっていうのは俺ばかり。なんで君から会いたいって言ってくれないんだ!』とキレる。いつも自分の希望ばかり押しつけ、怒りの電話をかけてくる彼に身体も心も限界でした」。

毎日会いたい、連絡をとりたいという彼に対し、「私は1週間に1回会えれば満足なタイプ。価値観や生活スタイル、抱えているもの──、すべてが異なる私たちがうまくやっていくことは、最初から難しかったのかもしれません」と若林さんは振り返る。

何度も話し合ったがそのたびに彼は、「女の子って普通もっと会いたいって思うものでしょ? なんでそう思わないの?」「カップルって普通もっと会うものだよね?」といった主張を繰り広げた。

「“普通”の“女の子”は“こうするものだ”といった言葉を何度も何度も繰り返すんです。男である彼が何を根拠にそんなことを言っているのか、本当に謎でした」