共働きから専業主婦に

そうして数年が過ぎ、34歳の終わり。35歳という数字が見えてきたとき、佐弓さんは子どものことを考え始めた。

「私は自分が3人きょうだいだということもあり、子どもを産むならひとりっ子はいやだな、2人以上がいいな、と思っていました。だとしたら、もう産み始めないと間に合わない。元夫もちょうど『自分の子どもに会いたくなった』って」

幸いにも子どもはすぐに授かった。佐弓さんは、子どもが生まれる直前に仕事を辞め、専業主婦になった。それは、佐弓さん自身の希望でもあり、元夫の望みでもあった。

幸せの真っ只中だった Photo by iSotck

「私は母が専業主婦だったので、自分の子どもにも同じように学校から帰ったら『おかえり』と言ってあげられる子育てがしたかった。元夫は義母が働いていて、それがさみしかったから子どもがある程度大きくなるまでは家にいて欲しい、と」

これまでのダブルインカムからシングルインカムになるにあたり、別々だった財布を1つにし、佐弓さんが管理することに。元夫は「自分は使い過ぎてしまうから」と、小遣い制も素直に了承。自分の収入を自由に使える生活から一転、妻からもらう月々の小遣いをやりくりする生活に、自分の意思で変えた

「何しろいい人ですからね。自分ではそれでやっていける、やっていくつもりだったと思います」

とはいえ佐弓さんとしてはできるだけ多めに渡すようにしていたし、実際、その額は、テレビなどで話題になる「新橋のサラリーマン」の小遣いの平均値などに比べればかなり高かった。