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もし大雨で「車が水没」したら?「車中死」の恐怖とその対処法

ドアが開かない、窓が割れない…

未曽有の水害をもたらした台風19号と21号。災害大国ニッポンでは、いつ何時、大雨に襲われるか分からない。万が一、車ごと沈みかけたり、冠水で車がダメになったりしたら、どうすればいいのか。

 

助けも求められない

「あの日は午後2時を過ぎたあたりから雨が激しくなってきたので、車のことが気になって30分おきに家の窓から外を見て、水に浸かっていないかを確認していました。

ところが夕方ごろに確認をすると、タイヤの半分を超えたところまで水が来ていた。わずか30分でここまで水位が上がるのか……と驚きました。

危険だとは知りながらも、慌てて車に乗り込み、山のほうにある高校に避難しようと思いました。しかしエンジンはかかるものの、アクセルを踏んでも水の重さで船のようにゆっくりとしたスピードでしか進まない。

これは危ないなと思っているうちに、200メートルほど進んだところで車内に水が入ってきたのです」

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去る10月に日本列島を襲った2つの巨大台風。19号と21号合わせて100人近い死者が出たのをはじめ、各地に甚大な被害をもたらしたが、車の浸水被害も過去最悪を記録した。

その数、10万台超。ちなみに東日本大震災で使用不能・処分などの被害に遭った車・バイクの数は、約7万台。車両に関していえば、台風のほうが被害の規模は大きいのだ。

冒頭の証言をした千葉県鴨川市に住む中野光男さん(仮名・55歳)も、10月25日、台風21号による大雨の最中に運転していて、車が水没した一人だ。身の危険を感じた中野さんは、車内に水が入ってきた時点で車を乗り捨て、家まで戻った。

大事にはいたらなかったが、「翌日車を乗り捨てた場所に確認にいくと、車体は泥まみれ。呆然と立ちすくんでしまいました」という。