「持ち家か賃貸か」災害多発時代の到来で、ルールはこう変わった!

変化に取り残されると大変なことに…
加谷 珪一 プロフィール

東京で家を選ぶなら…

だが、災害の発生リスクが高まってくると、こうした価値観も再考を余儀なくされる。ミニマリストを目指す若年層のみならず、もう少し上の世代においても、持ち家を絶対視しない人は着実に増えている。では、災害の多発が予想される今、持ち家と賃貸についてはどう考えればよいのだろうか。

〔PHOTO〕iStock

筆者はこれからの時代に持ち家を選択する場合には、市場価値を最優先すべきであると常々主張している。家を買うのであれば、自分が住みたいと思う家ではなく、それを賃貸に出したり、売却する時に高い値段が付く物件を選択した方がよい

 

これからの不動産市場は、利便性の高い物件の価格が上昇する一方、不便な物件は値段が付かないレベルまで下落するなど、価格の二極分化が進む可能性が高い。災害という視点が入った場合でも、基本的に考え方は同じであり、災害において資産価値がどう維持されるのかについて真剣に考慮した方がよいだろう。

例えば東京という場所を地理学的に見ると、海に近い東側の低地と、西に広がる武蔵野台地に二分されている。都心でいえば、日比谷通りから少し西に行ったあたりが両者の境目となっており、西側のいわゆる「山の手」と呼ばれるところは台地、東側の「下町」と呼ばれるところは低地である。

武蔵野台地は基本的に岩盤なので地震に強く、土地が高いことから水害にも遭いにくいとされているが、台地には無数の川が流れており、台地を浸食した谷が存在している。一般論としては、同じ収益性なら西側の方が災害リスクは低いが、山の手でも、谷になっている部分は地盤が緩く、浸水の被害を受けやすい。可能な限り、高台に建っている物件を選択した方が、地震や浸水についての被害を軽減できることが分かる。

中古マンションを購入する際には、旧耐震、新耐震の違いがよく議論される。個々のケースは様々なので一方的にどちらが危険と決めつけることはできないが、台地に立つ旧耐震のマンションの方が、低地に立つ新耐震のマンションより安全なケースは多い。