皇位継承議論で避けては通れない「旧宮家の皇籍復帰問題」

男系派・女系派の隔たりを超えて
宇山 卓栄 プロフィール

世論をどう考えるか

旧宮家の皇籍復帰を実現する上で、やはり、世論の動向を考えないわけにはいきません。国民世論や政治が皇統の継承の伝統を変えることなどできないという主張もありますが、必ずしも、そうではないのです。

戦前までの典憲体制(皇室典範と憲法が同等に置かれた法体系)と異なり、現在、皇室典範が憲法の下位に事実上あると解されます。国民に選ばれた国会議員が皇室典範を改正することもできます。

その意味において、「国民主権」に委ねられている範疇に、皇位継承問題もあると法理的に解することもできます。主権者たる国民の意志をまったく無視することは難しいでしょう。政府も「慎重に冷静に、国民の賛同が得られるように議論を重ねる必要がある」というスタンスを維持しています。

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議員たちも世論を無視することはできないでしょう。政治判断で、政権が旧宮家復帰のための法整備を整えるなど、粛々とやるべきことをやれとする意見もあります。たとえ世論に反することであっても、政治判断で行動することは代議制において認められる民主主義の一つの形態であるとされます。

しかし、世論に反することを行えば、激しい反発を食らうことが避けられないので、これまで、誰もやりたがらなかったのです。

国民の多数が女系・女性天皇に賛成している現状において、男系継承を維持するための旧宮家の皇籍復帰について、相当な議論を尽くし、より多くの人々の理解を得られるように、男系派は努力しなければなりません。