皇位継承議論で避けては通れない「旧宮家の皇籍復帰問題」

男系派・女系派の隔たりを超えて
宇山 卓栄 プロフィール

反対派の見解

旧宮家の皇籍復帰に反対する世論は根強くあります。臣籍降下(皇籍から離れ一般人となること)されたかつての宮家の人々はこれまで、我々と同じように俗人として過ごしてきました。それにもかかわらず、ある日を境に皇族や皇位継承者になるということが国民の理解を得られるのかどうか。ひと度、俗人となった人が皇族となって、崇敬されるのか。

旧宮家の方々が皇族に復帰したとしても、すぐに天皇になるわけではありません。仮に、将来、悠仁親王殿下に男子が生まれなかったとしても、20年くらい先の話です。その間、旧宮家の方々に御公務に携わって頂き、国民の前に御姿を何度もお見せになれば、次第に国民の認識も肯定的なものへと変化する可能性があります。

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旧宮家の方々が俗人として俗世界の塵にまみれているというならば、その御子の代から皇位継承者にするという措置も考えられます。俗人という弊害要素を排除するためには、旧宮家から生まれたばかりの子供を天皇家の養子にすればよいという提言をする論者もいます。生まれたばかりの子供ならば、世俗の垢にまみれていないからです。

仮に、旧宮家の人々の中で、国家に害を及ぼすような危険思想を持っている人、人格不適合者が混じっていればどうするのかという疑義を呈する人もいます。こうした観点から、無理に男系継承にこだわることは天皇制をかえって危うくするという女系継承容認の立場からの批判も根強くあります。

 

そもそも、一番多い反対理由として、今上陛下直系の愛子内親王殿下がいらっしゃるのに、女性というだけで、わざわざ傍系から皇位継承者を引っ張って来るのはなぜか、その理由や根拠がわらないという意見があります。

いずれにしても、男系継承や女系継承のどちらの方法論においても、様々な措置や制度改変が伴いますが、百点満点とはいかず、それぞれ困難や障害があります。