2019.11.30

動画ストリーミング、「生き残り」をかけた熾烈なバトルが始まった!

鍵を握る立役者はアマゾンだ
石原 順, マネクリ プロフィール

ストリーミングで実権を握るアマゾン

ディズニーでは、こうした人気キャラクターやコンテンツをいくつかのチャネルで展開することができる。例えば、テーマパーク事業ではアトラクションに、そしておもちゃなどへのライセンス供与にも活用しており、事業間における補完効果がある。つまり1本のヒットから得られる収益が他のライバルよりも多いと言うことである。

ディズニーはまだ、ネットフリックスほどの顧客基盤を持っていないものの、「Disney+」では、ディズニーのコンテンツだけではなく、ピクサーやマーベル、スター・ウォーズ、21世紀フォックスのコンテンツも視聴できるため、今後も多くの人々が加入すると予想されている。

なお、この「Disney+」以外にも、スポーツ専門のESPN、Huluをサービス展開している。前述のフィナンシャルタイムズの記事によると、ディズニーのストリーミング事業は5年間損失が続くものの、2024年までにストリーミングの年間売上高は230億ドルと、総売上高の半分近くになると予想されている

 

一方のアマゾンは、自社においてプライムビデオを展開しているが、Netflixが採用しているクラウドサービスはAWS(アマゾン ウェブ サービス)である。アマゾンのウェブサイトによると、Netflix は、そのほぼすべてのコンピューティングニーズとストレージニーズにAWSを使用しており、データベース、分析、レコメンデーションエンジン、動画変換をはじめとする数百の機能を利用している(※1)。

また、ディズニーは2017年よりパブリッククラウドインフラとしてAWSを使用していることが明らかになっている(※2)。

今回の新たなサービス「Disney+」の後ろにAWSがあるかどうかは定かではないが、ストリーミングサービスが増えれば増えるほど、アマゾンのプライムビデオのライバルが増えると言うよりも、むしろAWSにとってサービス可能な市場が活性化すると言う意味合いが大きいだろう。

アマゾンは他の参入企業と異なり、ストリーミングだけで体力を消耗する心配がない。むしろ競争の激化は彼らにとっては好機となる。また、自社におけるストリーミングサービスの展開は、それに関わるノウハウの蓄積と、それを踏まえた顧客へのサービス提供の充実につながることが期待できる。

ストリーミングバトルは始まったばかり。コンテンツをめぐる消耗戦に疲弊しない企業が強みを持つものと考える。

(※1)参照:Amazon Kinesis Streams の導入事例: Netflix
(※2)参照:The Walt Disney Company Selects AWS as its Preferred Public Cloud Infrastructure Provider

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