91歳認知症女性、薬を減らしたら徘徊トラブルがなくなった

不調の原因は病院でもらった薬だった?
週刊現代 プロフィール

これまで認知症患者には、徘徊や大声で叫ぶなどの症状が出た場合、それらを抑えるために別の薬が投入されることが多かった。しかし、認知症の症状を抑えるためには、むしろ薬をやめるほうがいいのではないかと見直されるようになってきた、ということだ。

たかせクリニック院長の髙瀬義昌氏も、こう指摘する。

 

「認知症の対応はことのほか難しく、患者に認知症の症状が現れた場合に、抗認知症薬などを反射的に処方する医師もいます。しかし、それらには副作用もあり、かえってその方の生活に悪影響を及ぼすこともあります。

薬を減らしてみる選択を考えることは大切です。私の患者さんでも、薬を減らした結果、何年も続いていた徘徊が一夜にして消えたケースがありました」

一方で、薬の副作用で一時的に認知能力の低下が起こっているのを医師が「認知症」と誤診してしまうケースもあるという。前出の平田氏が続ける。

「80代の男性で、物忘れが激しくなったため病院で見てもらったところ認知症だと診断され、以来、認知症の薬を飲んでいる方がいました。

ところがその薬を含め複数の薬を飲むようになって以降、どうにも体調がすぐれないということで、ご家族の方につれられて、私のところに診察に来たんです」

Photo by iStock

原因は胃腸薬だった

平田氏は男性の脳の検査を行ったが、認知症の特徴である脳の萎縮が見られなかった。

一方、男性は普段から16種類もの薬を飲んでいたことが分かった。もしかすると、薬の副作用によって一時的に認知能力が低下し、間違って認知症と診断されたのではないか。

そう思った平田氏は、男性患者の家族に薬を減らすよう助言。すると、みるみるうちに症状が改善し、物忘れや徘徊などの症状が出なくなり、元気を取り戻したという。