教皇が「アドリブ」で語った励ましの言葉
「君が『デブだ』と言っていじめられたら、『痩せているなんて不健康でカッコ悪い』と、言い返せばいいんだよ」
10代で過酷ないじめに会った20歳の青年の話を聞きながら、真剣にアドバイスした後にフランシスコ教皇は笑顔でこう彼を勇気づけた。
この発言は、事前に用意された原稿にはない教皇のアドリブである。
もともとフランシスコ教皇は、ユーモアの人なのである
11月23日から26日まで、バチカン市国からローマ教皇フランシスコが来日。
原爆の被爆地・長崎では核廃絶を訴え、広島では平和のためのメッセージを発し、25日には天皇陛下に面会。その後東京ドームでは、5万人のミサを行うなど分刻みのスケジュールをこなしている。

これとは別に、教皇が重要視していたことがある。
それは11月25日に行われた「青年との集い」。この場で、青年たちと語らいの場を持つことだった。
この集まりには、カトリックを含む他の宗教を信じる人、外国人、移民や難民というさまざまな立場の18歳から35歳の若者が参加した。異教徒も参加して、同じ年代の人々の悩みをぶつけ合うというイベントだった。
東京カテドラル聖マリア大聖堂(東京都文京区関口)に到着したフランシスコ教皇を待ち受けていたのは、参加した若者たちの数多くの携帯カメラだった。歓声とフラッシュが入り混じり、会場は38年ぶりの教皇の来日に沸いた。