覚醒剤で破滅した「中卒政治家」元葉山町議の後悔と「再生への道」

「寝たら全て忘れる」恐怖に駆られ…
佐藤 光展 プロフィール

「ちょっとよろしいですか」

2016年2月16日午後10時過ぎ、横浜市末吉町のコンビニを出た細川さんは、同年代の私服の男性に呼び止められた。道を聞かれるのかと思って立ち止まった。すると男性は警察手帳を差し出し、「ご協力いただけますか」と言った。

周囲を、私服やスーツ姿の男性10人ほどが気づかぬうちに取り囲んでいた。全員が県警本部や所轄の警察官だった。驚いた細川さんは何も考えられぬまま、近くにあったワゴン型の警察車両に乗せられた。

細川さんが覚醒剤所持の容疑で現行犯逮捕された場所。伊勢佐木や野毛の繁華街に近いが、夜間は薄暗く人通りが少ない(横浜市末吉町)

車内で所持品を調べられ、上着の内ポケットから袋入りの覚醒剤と注射器が見つかった。その覚醒剤は売人から買ったばかりだったが、コンビニのトイレで既に一部を使用していた。売人との接触をキャッチして、2015年暮れごろから細川さんをマークしていた警察は、使用直後の絶妙なタイミングで声をかけたのだ。

細川さんは覚醒剤所持の容疑で現行犯逮捕された。

 

報道の恐ろしさ

トップ当選した最年少の現職葉山町議が、覚醒剤に溺れて現行犯逮捕。マスコミがこのニュースに飛びついたのは無理もない。厳しい批判を受けるのも当然だ。しかし、それだけでは終わらなかった。マスコミは細川さんを実態以上に貶めるデマをばら撒き始めた。

細川さんが、葉山町議選の最中にも覚醒剤を使用していたかのように伝えた新聞、テレビがあった。「当選証書授与式に遅刻するなどおかしな行動が最初からあり、当時から覚醒剤を使っていたに違いない」というのだ。

だが、式の遅刻は開始時間の変更を知らなかったためだった。正しい開始時間を伝える議会事務局からの連絡が、なぜか細川さんの携帯電話にはなく、自宅の固定電話に録音されていたので、多数のお祝いメッセージに紛れて気づかなかったのだ。