覚醒剤で破滅した「中卒政治家」元葉山町議の後悔と「再生への道」

「寝たら全て忘れる」恐怖に駆られ…

葉山御用邸や葉山マリーナで知られる神奈川県葉山町。このまちの風光明媚で上品なイメージを損なう問題がかつて発覚したのを、ご記憶だろうか。2016年2月17日、朝日新聞が夕刊社会面でその事件を伝えている。

「覚醒剤所持容疑、葉山町議を逮捕 神奈川県警」

あれから3年10か月。覚醒剤取締法違反(使用・所持)で有罪となり、3年の執行猶予を満了したのが、元葉山町議の細川慎一さん(45)だ。彼は今、何をしているのだろうか。

1964年の東京五輪に合わせて開業し、地域のランドマークとなっている葉山マリーナ(神奈川県葉山町)

インタビューで分かったのは、「睡眠時間を削ってでもよい仕事をしたい」という過度の功名心に忍び寄る覚醒剤の恐ろしさと、元受刑者たちの支援に取り組む現在の姿だった。それだけではない。留置所にいる容疑者が反論できないのをいいことに、デマを寄せ集めて極端な「ダメ人間像」を作り上げ、関心を煽るマスコミの恐ろしさも露わとなった。

 

「ビッグになってやる」

細川さんは横浜市の繁華街で生まれ育った。家庭は比較的裕福だったが、私立高校に入学して間もなく、父親が詐欺に遭って全財産を失った。高校を退学した細川さんは、「中卒」という学歴を背負ってバイトに明け暮れた。

「ビッグになってやる」。思いは人一倍強かった。「政治家と親しくすれば良いことがある」という知人の言葉を真に受けて、政治関連の本を読み漁った。

そんなある日、「細川が政治の勉強をしている」と伝え聞いた政治家秘書の幼馴染から「お前もやらないか」と誘いを受けた。22歳の時のことだ。