日本初!百貨店に「女性用アダルトグッズ常設店」ができた深い理由

80代女性や男性同士での来店も
日向 琴子 プロフィール

80代女性や男性同士も来店

女性向けのフロアでありながら、カップルが2割、男性客も訪れるという大丸梅田の「iroha」常設店。

男性2人で来て彼女へのプレゼントを選ぶケースもあるようで、「20代30代の爽やかなカップルが思いのほか多く、おしゃれな感じ」(iroha広報・本井さん)「ポップアップストアに70代のご夫妻がいらしたときは、二人で一緒に使うんだとおっしゃっていて仲睦まじい様子に思わずほっこりしました」(iroha広報・犬飼さん)ということからもわかるように、女性だけに限定しているわけではない。

一般社団法人「Lean In Tokyo」の調査によると、男性が生きづらさを感じることについて、20~30代で最も多かったのは「デートで男性がお金を多く負担したり女性をリードしたりすべきだという風潮」であった。セックスにおけるリードにも、男性はプレッシャーを感じているのではないだろうか。

実際に売り場に足を運んでみて見えてきたのは、パートナーがいてもいなくても、「もっと気持ちよくなりたい」「セックスで一緒に気持ちよくなりたい」という素直な気持ち。セックスレスに対して「男性、女性、どちらかの問題」と決めつけて逃げるのではなく「共有するべき大切なこと」と捉えている男女が多い、ということがわかった。

そこには、アダルトグッズを使って、自分自身の寂しさを慰める女性はひとりもいなかった。

 

最後に、ポップアップストア時代から店舗スタッフを務める佐々木さんに、印象に残っているお客様のエピソードを聞いてみた。

「80代のおばあちゃんがいらっしゃって、子供の頃、机の角が気持ちよくてひとりでしていたが罪悪感があった。結婚した夫に先立たれ、この年になって初めて、周りの友達とセルフプレジャーに関して話すことがあった。そこで初めて皆もひとりでしていることを知り(自分もしてもいいんだ)と思えた。それでお店に来てくれたと言うんです」

常設店には、ふらっと立ち寄れる気安さがある。幅広い年齢層が訪れるデパートに常設となった「iroha」が贈る、性に対しての明るいポジティブなメッセージが今後どのように広がっていくのか。注目していきたい。

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