習近平を「国賓」で呼ぶのは日本の国益に反すると断言できる理由

香港騒乱で露呈した、中国の人権侵害
大原 浩 プロフィール

恩をあだで返す歴史に学ぶべき

すでに米国では、1国2制度を維持しない場合、香港に対する特権をはく奪する動きが加速している。

1972年の事実上の米中国交回復以来、米国は、「民主主義先進国」の仲間入りができるように、「思いやり」を示した。例えば、天安門事件以来交渉が難航していたWTOに共産主義中国が加盟できたのも米国の後押しのおかげである。

ところが、米国を追い抜くと豪語しながら、「私たちはまだ発展途上国ですから優遇してください」などと平気で主張するだけではない。国内において外資系企業に対してがんじがらめの規制を行い、恫喝によって先端技術などを献上させるのに、WTOルールを最大限に活用して、米国などの先進国市場を荒らしまわっている。

米国の堪忍袋が切れるのは当然であり、トランプ大統領はまだ融和的な方である。民主党左派の方がさらに怒りを露わにしていることは、前述の11月6日の記事「米国は変わった、とうとう高官が共産主義中国を『寄生虫』呼ばわり」で述べたとおりだ。

日本も、改革・解放の初期には、政府だけでは無く、多くの大企業が、資本主義・市場経済に関して何の知識も無い人々に対して、ノウハウや技術を喜んで提供した。それに対するお返しが「天安門事件以降の反日活動」である。

11月23日の記事「最強のチーム(組織)が、なぜか絶対に『思いやり』を大切にするワケ」で述べた様に、「思いやり」こそが人類が発展した最大の要因の1つだが、「相手を見て行動するべき」であるのも事実である。

恩をあだで返し続けてきた共産主義中国に対し、米中対立で苦しんでいる中で、「習近平氏来日」という助け舟を出す行為は意味がないどころか、「日本が弱みを見せてきた」と思われつけ入れられるリスクさえある。

 

誰と組むべきかをよく考えるべき

米国や世界が「人権問題」を大々的に取り上げる中で、日本だけが「逆コース」に進む行為は、戦前を思い起こさせる。

戦前の日本はナチス・ドイツやファシスト党ムッソリーニと組んでひどい目に合った。

今回は、独裁者たちと手を組むという愚行を行うべきではない。「組む相手」を間違えることは「国家の存亡」にさえ影響する。