習近平を「国賓」で呼ぶのは日本の国益に反すると断言できる理由

香港騒乱で露呈した、中国の人権侵害
大原 浩 プロフィール

北大教授は帰ってきたが……

天安門事件における欧米からの中国共産党に対する激しい非難を、「我々は被害者だ」と言い張る「歴史問題」によって、「反日運動」にすり替え、共産主義中国は危機を脱出した。

そもそも、彼らが「歴史問題」と称するすべての問題は、民主主義中国(中華民国。台湾)が中国大陸を統治(一応……)していた時代に起こった出来事であり、1949年に建国された(1979年まで正式には米国から国家としては認められていない)共産主義中国とは関わりがないことである。

歴代日本政府の弱腰のおかげで、「捏造された歴史」が世界中に拡散され定説になってしまったのは非常に悲しいことだ。

 

日本人あるいは日本という国には「思いやり」があふれているが、その「思いやり」が相手によっては「お人好し」な行為になってしまうことには十分注意しなければならない。

北海道大学の岩谷将(のぶ)教授が中国当局に拘束された事件では、北京にある中国政府系シンクタンクの中国社会科学院の招きで訪中し、9月上旬に同院が手配した北京市内のホテルで拘束されていた。最初から共産党政府が、拘束をするためにおびき寄せたとしか考えられない。

その後、この事件に対する日本側の反応の大きさに驚いたのか、11月15日にスパイ容疑などで拘束されていた同教授を解放している。

弱腰批判を恐れた習近平氏の圧力で、中国国内のメディアはこの事件を黙殺しているが、こちらが強く出れば必ず反応があるのである。

中国大陸や朝鮮半島の「自称儒教国家」では、「水に落ちた犬は叩け」が合い言葉である。つまり「強きをたすけ、弱きをくじく」のが基本なのだ。このような文化圏では「思いやり」というのはただ相手に弱み(隙)を見せる以外の行為では無い。

北朝鮮の拉致問題でも、発覚直後に北朝鮮に圧力をかけた国では被害者を奪還することができたが、日本ではいまだに解決されない問題である。

北大教授は「圧力」をかけたおかげで奪還できたが、同じような理由で共産党政府に拘束されている日本人被害者は少なくとも9人いるとされている。

習近平氏の来日など要請している場合ではない。むしろ経済制裁を課して被害者を奪還するのが日本政府のすべきことである。