12月 2日 北京原人の頭骨発見(1929年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

この日、中国の考古学者・地質学者の裴文中(ペイ ウェンヂョン、和名表記では「はい ぶんちゅう」、1904-1982)が、北京郊外の周口店の石灰洞窟で、北京原人(「シナントロプス・ペキネンシス Sinanthropus pekinensis」、なお、現在は「ホモ・エレクトゥス・ペキネンシス Homo erectus pekinensis 」と呼ぶのが優勢)の頭骨を初めて発見しました。

 

以後、頭骨6点を含む約40体分の骨格と149本の遊離した歯が発掘されました。

【写真】北京原人の復元頭蓋骨と発掘場所
  復元された北京原人の頭蓋骨(上)と、発掘場所の現在の様子 photo by gettyimages

しかし、実はそれより3年ほど前に、スウェーデ ンの地質学者ユハン・グンナール・アンデショーン(Johan Gunnar Andersson[スウェーデン語]、1874-1960)らは周口店で人類のものらしい歯を発見しており、米・ロックフェラー財団の援助による発掘調査に加わっていたカナダの解剖学者デビッドソン・ブラック (Davidson Black、1884-1934)によってシナントロプス・ペキネンシスと命名されました。

【写真】ブラック博士の発掘調査
  D・ブラック博士指揮のもと、発掘作業に従事する調査チーム photo by gettyimages

その後、ドイツの学者フランツ・ヴァイデンライヒ (Franz Weidenreich[ドイツ語]、1873-1948)が研究を進め、詳細な記録やレプリカを残しました。日米開戦の前後に頭骨標本自体は行方不明となってしまうのですが、 残された研究記録が、今日の北京原人の研究資料となっています。

北京原人はジャワ原人(ピテカントロプ・エレクトゥス Pithecanthropus erectus)より進化しているとされ、火や石器を使用していたとみられています。生存年代は、第四紀の更新世(500万年前~1万年前)とされています。

なお、ジャワ原人やネアンデルタール人 Homo neanderthalensisもこの更新世に生存していたとされ、現生人類(ホモ・サピエンス Homo sapiens sapiens)も中期に出現したと考えられています。

そして、この更新世の間にヒト亜族の大半が絶滅して、最終的に現生人類のみが生き残りました。ヒト属の進化と淘汰が起こった時代と言えるでしょう。

 ヒト属は、ホモ・サピエンスだけだったのか? 

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