「桜を見る会」問題でまた露呈…この国の深刻すぎる情報隠ぺい体質

政府の説明は根拠を欠いていた
三木 由希子 プロフィール

指摘され続けているが…

各省庁側が作成した「推薦者名簿」が、1年以上の保存期間になっているのに対して、「招待者名簿」が1年未満というのはおかしいとの指摘がずっとされている。筆者も同じように思うし、これが常識的な感覚だろう。

桜を見る会に関しては、推薦業務と招待状発送業務、そして桜を見る会の運営業務という少なくとも3つの業務がある。業務の進め方によって情報の共有範囲が決まってくるところ、ここについてはいまのところ推薦業務はわかっているが、全体の流れがよくわからないので、議論をわかりにくくさせているところがある。

しかし、各省庁がこれまでの推薦者名簿と招待者名簿の保存期間の違いについて何を説明しているのかと言えば、事務事業の性質の違いで保存期間が異なっていることを繰り返し述べているだけだ。行政文書の保存期間は、事務や事業の性質、内容によって設定されているからだ。

 

例えば、文部科学省や総務省が推薦者名簿を10年保存としているのは、いずれも「栄典又は表彰に関する事項」のうち、「栄典又は表彰の授与又ははく奪のための決裁の伝達の文書」という区分に該当するとしているからだ。この区分の保存期間は政令で10年と決まっているので、選考基準や選考案、伝達、受賞者名簿は10年保存となる。

しかし、同じ「栄典又は表彰に関する事項」でも「栄典又は表彰の授与又ははく奪のための決裁の伝達の文書」ではなく、「その他」という区分を設けて短い保存期間としているところもある。例えば、内閣府大臣官房の中でも公文書管理課は、「栄典又は表彰に関する事項」で、「園遊会・桜を見る会等」の推薦名簿を3年保存としている。

一方、同じ内閣府でも人事課は、園遊会や桜を見る会などへの推薦を「職員の人事に関する事項」という区分に入れて、1年保存としている。内閣官房総務官室も同様だ。なぜこういう整理をしたのかを推測するならば、いずれも第三者機関の委員など身内をもっぱら推薦しているということだろうか。

保存期間は、業務上の必要性、情報の内容と政府の説明責任から必要な期間を設定されているべきだが、内閣府や内閣官房は、桜を見る会の推薦名簿をいずれの観点からも1年保存でよいと判断しているわけである。その一方で、推薦側の各省庁での扱いは明らかに異なり、行事に対する考え方がだいぶ異なることが、保存期間の設定から見えてくる。