「桜を見る会」問題でまた露呈…この国の深刻すぎる情報隠ぺい体質

政府の説明は根拠を欠いていた
三木 由希子 プロフィール

よくできた説明

宮本議員からの使用要求のあった5月9日に招待者名簿を廃棄したとする内閣府の説明は、逃げ道のあるなかなかよくできた説明だ。

廃棄の経緯について、遅滞なく廃棄するため5月の連休前から廃棄の準備を始めたが、分量が多いので事務室内のシュレッダーではなく、大型シュレッダーを使おうとしたが、各局の使用が重なり、連休前に破棄できなかったという。

そこで調整して廃棄したのがたまたま5月9日だったという。また、紙文書だけでなく、それと前後して電子データも削除したとしている。

よくできた説明としたのは、5月9日より前から準備をしていたという点もあるが、招待者名簿は内閣府人事課のもののみという枠組みを維持して説明していることだ。

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宮本議員からの資料要求は、「内閣府・内閣官房控室」に宛てに出されており、資料要求の内容は、各年の招待者の推移、参加者の推移、予算・支出関係、招待者選考基準、参加者増加理由についてだ。この資料要求の情報は内閣府人事課にも回付されていれば、招待者の推移のわかる招待者名簿の廃棄は、止めなければならないだろう。

しかし、内閣府人事課は招待者上の発送担当だから、集約した名簿を保有していたということになっている。

 

そこで、次の言い訳として想定できるのが、人事課は桜を見る会の運営に関与していたわけではないので、資料要求への回答には直接関係ない。だから、資料要求の書面は回付されず、予定通り廃棄されたということになるだろう。

少なくとも、資料要求があることを知っていてなお、招待者名簿を廃棄したとなれば故意に廃棄した情報隠ぺい事案となるので、そうならない程度の逃げ道を作っていることは、内閣府の説明から容易に想定できる。

公文書管理法では、情報公開請求の対象文書は請求後の廃棄を明確に禁じており、廃棄は違法となる。しかし、議員の資料要求には適用されないので現状としては違法と言いにくいが、情報隠ぺいを図ったことにはなるので、政治的責任は極めて重大ということになる。