「桜を見る会」問題でまた露呈…この国の深刻すぎる情報隠ぺい体質

政府の説明は根拠を欠いていた
三木 由希子 プロフィール

また、各省庁には推薦者名簿が保存されているが、安倍事務所からの推薦者名簿は内閣官房で1年未満の保存期間で廃棄済みということもわかった。安倍事務所からメールで名簿が送信され、日々の連絡文書として、内閣府に転送後に廃棄可能なものとして扱っているようだ。

ガイドラインを改正しても、肝心な文書ほど短期間で廃棄されて政府は説明できない(しない)という状況は変わっていない。さまざまな追加されたルールをどうかいくぐるのかということに腐心しているようだ。

 

保存期間の根拠が不明確

招待者名簿が政府の中でどのように共有されていたのかよくわからないところがあるが、これまで招待状の発送を行う内閣府人事課で集約され、それが廃棄済みとされている。

これについて、11月13日の野党合同ヒアリングで内閣府は1年未満である根拠として、名簿は「保存期間表に定めたもの」として人事課の保存期間表で定めているとし、「関係行政機関等に協力して行う行事等の案内の発送等」に名簿が該当すると説明した。

しかし、この説明は明らかにおかしい。

筆者が調べたところでは、「関係行政機関等に協力して行う行事等の案内の発送等」と保存期間表に明示したのは2019年10月28日以降のことだ。それ以前にはこの記載は保存期間表にはなく、「他の行事等の推薦」であった部分を書き改めたものだ。

5月の段階の廃棄が問題になっているのだから、以前の保存期間表で説明すべきなのだが、それを行っていない。以前の書きぶりだと、内閣府としての推薦したことに関する文書を想定していると読むのが自然なので、あえて言及すること避けたとしか思えない。

内閣府大臣官房人事課の保存期間表。10月28日から適用分として「他の行事等の推薦」がなくなり、「関係行政機関等に協力して行う行事等の案内の発送等」を1年未満保存とする保存期間区分が出てくる。

それに、13日に野党合同ヒアリングで配布されたのは、内閣府人事課の保存期間表は10ページのうちの該当部分が含まれる1枚(5ページ目)のみ。この保存期間表がいつからの適用かは1ページ目にしか記載がないので、最近改訂されたことにも気づかないだろう。

また、改訂された日付も微妙で、10月に入って「しんぶん赤旗日曜版」で桜を見る会問題が取り上げ、議員からの問い合わせなどがされるようになってからで、本格的に問題化する直前だ。政治問題化するときに備えていたと思われても仕方がないだろう。何しろ、保存期間表は課長級が定めるものなので、必要に応じて改定は可能なものなのだ。

なお、改定の時期が微妙なことも含めて問い合わせた筆者に対し、14日の夜遅くに電話で内閣府人事課から回答があった。「一府省としての桜を見る会の推薦者も含まれると誤解されるので、適切な内容に速やかに改めた」という説明だったが、5月時点では1年未満という保存期間の根拠自体、不明確だったと言わざるを得ない。