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あの公取委がお墨付き?ヤフー×LINE統合、新たな「不安の芽」

事務総長の気がかりな発言

“競争の番人”が柔軟な姿勢を見せた

ネットサービス「ヤフー」を展開するZホールディングスとLINEが合意した経営統合。その独占禁止法上の審査について、公正取引委員会の山田昭典事務総長は11月20日の定例記者会見の場で、「一般論」としつつも、企業結合審査では「事業によっては,世界市場というのが観念できるというものもあります」と柔軟に判断する姿勢を明らかにした。

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国内最大のIT系のプラットフォーマーの誕生と、マスメディアが大きく報じているものの、米国の「GAFA」や中国の「BAT」に比べれば桁違いに規模が小さいし、競争はグローバルに展開されているので独禁法上の問題はないとの趣旨にも受け取れる発言だ。

かつて公正取引委員会は、海外のライバルによる敵対的買収に瀕した鉄鋼会社間の株式の持ち合い強化案に頑なに反対した前例があるだけに、この柔軟な姿勢は隔世の感がある。和製プラットフォーマーの育成は、政府を挙げての悲願だけに、公正取引委員会にもそうした配慮が働いているのかもしれない。

しかし、公正取引委員会は時代が変わっても「競争の番人」であることに変わりはない。競争を阻害したり優越的な地位を乱用しやすいビジネスモデルを持つプラットフォーマーならではの問題点を看過せず、厳格な審査を行い、新たな問題の予防に努めるべきだろう。

 

経営統合の観測記事が今月13日にネット上に流れると、新聞・テレビは、ヤフーを傘下に持つZホールディングスとLINEの統合に関するニュースに一喜一憂、大騒ぎした。

ZホールディングスとLINEの発表によると、両社は12月をめどに最終契約を結ぶ予定だが、まず、それぞれの親会社であるソフトバンクと韓国ネイバーが共同で3400億円を投じてLINEにTOB(株式公開買い付け)をかけて非公開企業とする。そのうえで、ソフトバンクとネイバーの共同出資会社がZホールディングスの親会社になり、ソフトバンクが共同出資会社を連結対象に加える。そしてZホールディングス傘下にヤフーとLINEが入るという。