2019.11.25

フランシスコ法王との「奇跡的の瞬間」〜「法王は下町言葉で語る!」

アルゼンチン司教が語るトレビアの数々
さかもと 未明 プロフィール

アルゼンチンに引きこもりはいない!?

未明 同感です、私は発達障害があることが最近分かったのですが、周りと違うということで、ずっといじめられていました。日本では「みんなと同じでないといけない」という、強い同化圧力があると思うんですね。

あと、子供への愛より、親が「世間体」や「恥」の意識を優先させて精神科への受診が憚られる社会です。だから、引きこもりの解決や家族治療もとても難しいと言われていますが、これは大問題なので放っておいてはいけないと思うんですね。あっ、最初におっしゃった、参加する=リーオスという、外に出て行けという教えは、引きこもりとは逆の教えですよね。日本では、どこかではみ出しちゃいけない、恥をかくくらいなら出て行かない方がいいという。そういう暗黙の圧力があるのかもしれない。

「あるかもしれないですね。私も何人かそういう子供の相談を受けて、試しにアルゼンチンに行ったらと勧めたことがあるんですが、何だか、特に何もしないのにいつの間にか治って元気になってしまいました」

 

未明 本当ですか? そういう子供たちを、いえ、すでに中年になられた方もたくさんいて悩んでいらっしゃると思います。アルゼンチンに行きやすくしてもらったら、勉強や生活できる環境を整えていただいて、それで改善する方が増えたら素晴らしいんじゃないかと思います。

大変センシティブな問題なので簡単に言えることではないんですが、このまま120万人と言われるひきこもりの方たちやそのご家族が、出口もないままでいるよりも失敗を恐れずに手を打つしかないと思うんです。

少なくとも全く違った文化もあるよという情報発信は必要だと思います。司教様はアルゼンチンに行って実際に元気になったお子さんもご存じということなので、そういうケースについてもぜひ皆さんに伝えていただきたいですし、ぜひ教皇にも、そういう子供さんや、ご家族の皆さんへアドバイスやメッセージをいただけたらうれしいです。

「そうですね。教皇は精神の問題に対しても大変深い関心をお持ちです」

未明 そうですか。今回はそういった精神の問題への言及、引きこもりなどの問題への良きアドバイスがあったらうれしいですありがたいです。ちなみに、教皇の法王の来日の意味を一言でいうと、どういうことだと思われますか?

「私の思うのは、私見ですが『信仰に火をつける』ということだと思います。今のカトリックは基本的に布教をしません。でも、圧倒的な魅力のある教皇のような人物を見ることや、我々信者の生き方を見て感動してくれることが、信仰の入り口になることもあるわけです。必ずしも皆さんに信者になってほしいとか、ご自分の宗教から改宗してとかそういうことではなく、ともに世界のことを考えていけるような、そういう環境を作るきっかけになってほしいですね。世界の革命は下から起こります。私たちの心が望めばそれは起こるんです。教皇は世界を変えよう、良くしようと本気で考えておられる。私たちも同様です。皆さんとともに、分かち合えるよい世界を作りたい。そのことを感じてもらえたら幸いです」


『ローマ法王の言葉 The Woeds of Francis』(講談社刊)は、フランシスコの話の中から、キリスト教徒だけでなく幅広い人に共感を呼ぶ言葉を選んで掲載。その金言は、人々の心に勇気を与え、生きるヒントとなる。写真もふんだんに使われている。公式Twitterもスタートした。https://twitter.com/thewordsofpope

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