2019.11.25

フランシスコ法王との「奇跡的の瞬間」〜「法王は下町言葉で語る!」

アルゼンチン司教が語るトレビアの数々
さかもと 未明 プロフィール

世界のトラブルを解決したい!

「すると、『7時にサンタマルタのミサにきて私の隣に座るようにマリオに言いなさい』との伝言が入って。半信半疑だったんですが、行くと『ホアンとレンゾから聞いている。お前はマリオ・ヤマノウチだな?私の隣に座りない』と言われて。

自分の日本名を呼ばれたとき、驚き、涙が出ました。そのくらい教皇は、一人一人の名前まで覚えて相手を理解しようとする、温かい人なんです」

未明 いいなあ、とことん、「人たらし」ですよね。私もたらされてみたいです(笑)。そんな風に人の心をわしづかみにする教皇が、結婚について、「AMORIS LETITTIA(愛の喜び)」という使徒的勧告を出されたそうですが、それはどういうことなんですか?

「はい、教会のルールというのはみんなのためにありますが、人は一人ひとり状況が違うので、そこを見ないといけない。離婚はだめとか、同性愛は罪とか、ただ決めつけるのでなく、どう信徒の立場に同伴してその苦しみに関わるか、それをしないといけない。だからチームを組んで考えよう。そういうことをおっしゃっています。それは教会内ではいろいろに反発があるんですが、、、」

 

未明 同性愛や離婚などは現代人の感覚では当然のことですが、教会全体としては認めがたいかもしれませんね。また、個別にいいとか悪いとか一神父が自分の判断では言いにくいだろうというのはわかります。でも、教皇個人としては様々な愛のかたちを寛容に、愛と深慮を持ってとらえていらっしゃるように感じます。かといって離婚などが簡単に許されてもいけないと思いますが。

「ええ、特に昨今は教会内の性的虐待の問題などもありますから、苦しいお立場だろうと思います。でも、教皇になった当初から、政治的にも社会的にも勇気を持って行動されています。アメリカとキューバの和解に一役買ったり、コロンビアの平和のプロセス、パレスチナとイスラエルの問題など、ずいぶん尽力されました。最近、トランプ政権になってからその動きが止まってしまって、私としては歯がゆいのですが、、、」

法王との貴重な写真

未明 それは私も感じています、今、アメリカは文字通り世界に「壁を作る」方向です。「壁を壊す」ために尽力されてきた教皇の考えとは真逆ですものね。

「ハイ、でも、法王は環境や、平和、貧困や難民の問題について、ひるむことなく取り組んでおいでです」

未明 日本に対してはどんな問題意識をお持ちですか?

「戦後の日本は、日本の本来の良さを見失いつつあるから、ルーツに戻るべきだと警鐘を鳴らしていますね。そして、お金に捉われすぎないでほしいと、、、。広島や長崎の皆さんに対しては勿論、東日本大震災の被害者や、いじめや引きこもりの問題にも心を痛めています、特にひきこもりは日本特有の問題ですからね」

未明 アルゼンチンには引きこもりはいないのですか?

「いないです」

未明 そうですか。私は、アルゼンチンは知りませんが、フランスやイタリアには数回行っていて、ともにラテンの国ですよね。なんて言うかみんな明るくて。質素ですが人間関係を大切にしていて。幸せ度が、物質的に豊かな日本よりはるかに高い感じがしました。私は少なくとも日本にいるより解放感を感じました。それと、引きこもりの問題は関係があると思われますか?

「そうですね。日本の社会は新しいことへの挑戦や失敗を恐れる部分があると思います。枠を与えないと動けない。でもアルゼンチン人は逆である意味自由に動きますね。学校も午後はフリーで好きなことができる。いいところを伸ばせばいいと考える。でも、日本の子供は子供の時から夜遅くまで塾に行ったり、横並びにいろいろできないといけないという、ストレスの強い社会なのではないでしょうか」

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