2019.11.25

フランシスコ法王との「奇跡的の瞬間」〜「法王は下町言葉で語る!」

アルゼンチン司教が語るトレビアの数々
さかもと 未明 プロフィール

「ホルヘ、貧しい人たちのことを忘れないでね」

未明 特権階級の方やお金持ちらに厳しいというのは本当なんですね、なにを言ったか知りたいところですが(笑)。でも、弱い立場の人にとてもお優しいそうですね。

「ええ、アルゼンチンはとても貧しくて、ストリートチルドレンや売春婦も多くいます。そういう子供や女性たちに『守ってほしい』とか『仕事を得るための紹介状を』などと頼まれると、できる限りのことをしたそうです。そんな様子をよく知っていますから、今は笑う写真が多く公開されて明るいイメージですが、教皇になる前はあまり笑顔が見られなかったようですね」

未明 あっ、私がアルゼンチン時代の写真を見て感じたのはそういうイメージです。すごくつらい人々の苦しみを知っている、悲しみを湛えた目に思えました。深い思慮に満ちた印象でした。

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「はい、教皇は、6年間の第2次軍事政権が終わったとき、それまで大変に教会や信者たちのために尽くしてきたのに、彼を認めないグループもいましてね。教会内である種の追放のような目に会うんです

コルドバにあるイエズス会の小さな部屋で2年ちょっと暗闇の時を過ごします。でも、それが大事な時期だったと、彼は振り返っています。

それから、教皇に選ばれたとき、隣にいたアルゼンチンの枢機卿さまが耳のそばで言った『ホルヘ、貧しい人たちのことを忘れないでね』という言葉。これがかなり響いたようですね

 

未明 人として当たり前にとても優しいと感じます。司教様にも直ぐにお声がけをくださったのですよね?

「そうです。最初は2013年、サレジオ会の総会のため世界の管区長たちがローマに集まりました。210人でしたが、その210人のための謁見があって私もホールに入りましたが、前のほうの席はすでに若い人たちで埋まっていて。

でも副総長が『アルゼンチン人は前でいいんだよ』と。でも私が前に行こうとしたらみんなが『嘘だ、日本人だ!』と叫ぶ(笑)。でも、私は『チャオチャオ』といつて二列目に座りました。二列目までは教皇と挨拶ができるんです

そして、副総長が『アルゼンチンからのマリオだ』というと、教皇はスペイン語で『本当か? 日本人ではないのか?』と。『いや、違います、アルゼンチン人です』と言ったら、『あ、わかった! 言葉が同じだ!』と。

その次は司教に任命されたとき、司教の服を買うためにバチカンに行ったんですが、何とか法王に会いたくて、法王の愛弟子のアイダル・ホアン神父に相談したんです」


*アイダル神父は、上智大学教授で教皇来日でも重要な役割を果たす。アイダル氏のことを書いた現代ビジネスの関連記事は以下の通り。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68467

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68575

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