積水ハウスの地面師事件、「封印」された「内部文書」を全部明かす!

そこには社長の責任をめぐる文言が…
藤岡 雅 プロフィール

調査報告書には、封印された「原案」があった!

どこまでも開示を拒否する姿勢は異様と言わざるを得ないが、この「閲覧謄写制限」に対しても裁判所はプライベートを配慮して、一部の個人名の黒塗りをしたコピーを閲覧可能とする決定を出した。

現在、調査報告書は大阪地裁で手続きさえ踏めば、調査報告書のコピーを閲覧できる状態となっている。

これを機に、株主をはじめ多くの人の目に触れて、積水ハウスのガバナンスの是非について議論が深まることを願うばかりだが、もう一つ、筆者は封印された内部文書があることをこのほど確認した。

それこそが冒頭で紹介した調査報告書の「原案」である。

 

先述の通り調査対策委員会が発足したのは17年7月。関係者によれば9月より本格的な調査が実施され、関係者などのヒアリングやメールの調査などを経て、この原案が作成されたのは「17年の11月ごろだった」という。

調査対策委員会では18年1月にこの「原案」をもとに、取締役会に提出する正規の調査報告書の内容が議論されたが、「原案」には取締役会に提出された正規の「調査報告書」では、かき消されてしまったある重要な記述があった。

それは調査対策委員会の委員たちがいかに阿部氏の責任を重視していたか、その決定的証拠でもある。

以下、詳しく紹介するが、まずは正規の調査報告書から見てみよう。

〔photo〕iStock

そこには当時COO(最高執行責任者)で社長の阿部氏の責任について、次のように指摘している。

〈4.業務執行責任者の責任
 本件取引の全体像を把握して、誤った執行にならないよう防ぐ責任は業務執行責任の最高位者にあり、最後の砦である。
 業務執行責任者として、取引の全体像を把握せず、重大なリスクを認識できなかったことは、経営上、重い責任がある〉

一方で調査報告書の「原案」はさらに具体的に阿部氏の責任について、踏み込んだ内容を示しているのである。