積水ハウスの地面師事件、「封印」された「内部文書」を全部明かす!

そこには社長の責任をめぐる文言が…
藤岡 雅 プロフィール

裁判所が「提出せよ」と…!

ではいったいなぜ、阿部氏や積水ハウスはここまでして調査報告書の開示を拒むのか。積水ハウスのある幹部は言う。

「阿部氏をはじめ積水ハウスの現経営陣が調査報告書を公開しないのは、いたってシンプルな理由からです。そこに自分たちの責任が明記されているから。この調査報告書の中身がクーデターの引き金になったと、事情を知っている社員の誰もがそう考えている」

筆者はその調査報告書を独自入手しその中身をこれまで詳述してきた。確かに調査報告書には阿部氏の責任については、「経営上、重い責任がある」と明確に記述されているのだ。

また、この調査報告書をめぐっては大阪地裁で行われている株主代表訴訟でも争点となっている。この訴訟は原告の株主側は阿部氏を相手取り、善管注意義務違反を主張して損害賠償を求めているものだが、現在は阿部氏に加えて、当時、副社長でCFOだった稲垣士郎氏(現・代表取締役副会長)も訴訟の対象となっている。

 

株主側は、当時、取締役専務執行役員だった内田隆氏(現・代表取締役副社長)、同じく専務だった仲井嘉浩氏(現・代表取締役社長)も、積水ハウスに対して、善管注意義務違反に問う訴訟を提起するように求めていたが、積水ハウスは「訴訟を提起しない」と11月25日に発表した。いずれ阿部氏、稲垣氏と同様に、内田氏、仲井氏も株主側により提訴されると見込まれている。

つまり積水ハウスの代表取締役たるトップ4人全員が、地面師事件の責任を追及されているのである。

この株主代表訴訟では、このほど一つの動きがあった。

実は大阪地裁は阿部氏と稲垣氏を支援するために裁判に補助参加している積水ハウスに対して、この4月に調査報告書を「提出せよ」との文書提出命令を下していた。この決定を不服として即時抗告した積水ハウスだが、大阪高裁はこれを棄却。7月に無事、調査報告書は大阪地裁に提出された。

ところが、である。

こうした裁判資料は通常、利害関係者以外の一般人でも「調査・研究」目的として閲覧することができるが、積水ハウスはさらに閲覧の対象を、訴訟関係者だけに限る「閲覧謄写制限」を裁判所に申し立てたのである。