積水ハウスの地面師事件、「封印」された「内部文書」を全部明かす!

そこには社長の責任をめぐる文言が…
藤岡 雅 プロフィール

地面師事件のウラで起きていた「内紛劇」

「内紛劇」というのは、事件発覚当時に会長でCEO(最高経営責任者)だった和田勇氏が、社長でCOOだった阿部氏のクーデターにより失脚したというもの。

その内紛劇をめぐって、じつは調査対策委員会が阿部氏の責任を明確にしようとの方針をめぐる社内の攻防がその理由の一旦とみられているというのだ。

地面師事件の舞台となった五反田の不動産〔photo〕筆者撮影

もともと調査対策委員会が発足したのは事件発覚の翌月、17年7月のこと。会長の和田氏が取締役会の議長として、2人の社外監査役と2人の社外取締役に要請する形で調査が始まり、9月に開かれた取締役会で正式に承認された。

関係者によれば、調査対策委員会に全容解明をゆだねた和田氏は、委員会のメンバーがいずれも積水ハウスの社外役員であったことから、当然「公表」を前提とした調査が進められるものと考えていたという。

また調査対策委員会にも取締役会の独立機関であることを前提に、独自に調査報告書を「公表」する動きもあったが4人の委員のうち1人が頑なに反対し、結局、公表は取締役会の判断に委ねられた。

 

その調査報告書が完成したのは18年1月のこと。1月24日に開かれた取締役会に提出された。ところが、その取締役会で阿部氏によって、和田氏の会長解任動議が提出され、なんと和田氏は失脚したのである。

実は、その日の取締役会に先立ち開かれていた人事・報酬諮問委員会では、5対0で阿部氏の社長解任が議決されていた。それが、和田氏が取締役会で阿部氏の社長解任動議を諮ったところ一転して否決され、返す刀で阿部氏により提出された和田氏の会長解任動議によって、和田氏は会長辞任に追い込まれた。事実上、解任されたわけだ。

このクーデター以降、代表取締役会長に就いた阿部氏ら現経営陣は、株主やマスコミの度重なる要請にもかかわらず、この調査報告書の公開を頑なに拒否し続けている。