その「ふらつき」「めまい」「立ちくらみ」放っておくと、死にますよ

それは大病のサインかもしれない
週刊現代 プロフィール

放置して脳にがんが転移

前出の北原さんは、ふらつきを感じてすぐに病院にかかったため、大病を早期発見し、切除して根治できたが、こうした幸運に恵まれるのは、むしろ稀だという。

東京オンコロジーセンター代表で、外科医・腫瘍内科医の大場大氏の話。

「私のもとにも、『1年前から慢性的にふらつきが起こっていて、いくつもの病院にかかったが、いっこうに治らない』と訴える患者さんが訪れました。腹部を触診してみると、こぶし大のしこりがあり、かなり進行した胃がんが見つかりました。精密検査の結果、胃がんのステージはIIIで、すでにリンパ節にも転移していました。

 

消化管から発生するがんは、ゆっくりと出血し、慢性的な貧血状態を引き起こします。そのため、急激にふらつきが出るのではなく、月単位、年単位でふらつきが増えてきます。症状は徐々に悪化していくので、患者さんもふらつきに慣れてしまって病院を受診しないこともあり、正しい診断が遅れてしまうのです」

ふらつきは、最初は我慢できる程度のものとして現れ、徐々に日常生活に支障をきたすほどに悪化していく。だが、悪化してから病院で検査を受けるのでは遅すぎる。ちょっとしたふらつきこそが、がんの始まりだと考えて、早い段階で手を打つことが大切だ。

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「一般的に、胃がんと言えば、『胃が痛む』、『食欲が落ちる』、大腸がんと言えば、『便に血が混じる』といった予兆があると考えられていますが、必ずしもこうした異変が現れるわけではありません。がんは、腫瘍の内部で出血・壊死を起こしやすい。それゆえ、血便や下血はないのに、貧血になって、ふらつきが出るのです」(大場氏)

目に見える症状が現れないからこそ、身体が発するサインに耳を傾けたい。

ちょっとしたふらつきから、肺がんが見つかることもある。

「ふらつきを訴える患者さんから、肺小細胞がんという、肺がん全体の15%を占め、増殖・進行速度の速い肺がんが見つかったこともあります。

この患者さんは、せき込んだり、息苦しかったりといった、肺がんでよく起こる症状には襲われていませんでした。ただ、『ふらつきがあるから』と病院を訪れたところ、『おそらく耳からくるめまいでしょう』と言われて、めまいを止める薬を処方されていました」(大場氏)