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「天才・ユーミン」少女時代の「仰天の伝説」の数々

「普通の子」が「荒井由実」になるまで
なぜこの人の歌声はこんなにも深く胸に響くのだろう。18歳で世に出た天才ミュージシャンは、幼いときから「普通の子」ではなかった。これはユーミンが、まだ誰も知らないひとりの少女だった頃の話。

私、有名になりたい

「あれはまだ、彼女が15歳の頃。初めて会った彼女はおかっぱ頭で顔中にニキビのある、あどけない少女でした。でも当時から彼女は自分の曲を作っていたし、その完成度や新しさには光るものを感じていました。

彼女は僕がいたバンドのコンサートにもよく遊びに来ていました。ある日、楽屋で『由実ちゃんは将来、何になりたいの?』と聞いたことがあったんです。すると、彼女は『私、有名になりたい』と決意した表情で言うんです。

僕は思わず『そうか。有名って、僕の母国語の中国語ではユウミンって読むんだよ。ちょうど、童話のムーミンが好きな由実ちゃんの名前とも音が似ているね』と返しました。あのときこそ、彼女の愛称『ユーミン』が生まれた瞬間でした」

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「ザ・フィンガーズ」の元ベーシストで現在は実業家のシー・ユー・チェン氏はそう懐かしそうに振り返る。

松任谷由実、65歳。18歳で荒井由実として歌手デビューし、半世紀近くにわたって第一線で歌い続ける「日本の宝」だ。

 

『ひこうき雲』に『卒業写真』、『守ってあげたい』、『春よ、来い』。最近ではラグビーW杯が盛り上がる中、名曲『ノーサイド』もいたるところで取り上げられた。ユーミンの生み出した楽曲は時代を超え、多くの日本人の心に深く突き刺さっている。

そんな彼女が生まれたのは東京・八王子市。いまも甲州街道沿いに建つ老舗呉服屋「荒井呉服店」の次女として誕生した。

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