小泉進次郎「無内容発言」が妙に「説得力」を持つのはなぜなのか…?

有権者が「説得力」を感じる条件
三浦 麻子 プロフィール

ヒューリスティック処理とは、ごく簡単に入手できる手がかりを利用して判断することである。この場合であれば、店員のお勧めであることが手がかりとなり、そこから『お勧めなんだから悪くないだろう』という経験則に従って、提案を受け入れるということだ。

そんな客に「いかにこのワインがいいものか」を長々と講釈することは、あまり効果がない。客はその内容を深く考える余裕がないか、あるいはそのつもりがないからだ。

〔PHOTO〕iStock
 

一方で、客が、非常にワインに詳しい人物だったり、この夕食会には是非とも「とびっきりのワイン」をと意気込んでいたりしたらどうだろう。「これがお勧めです」と言うだけではきっと納得しないだろう。どういうところが「お勧め」たるゆえんなのか、今から行くパーティの場にふさわしいか、持参する自分の株を上げられるか、などとあれこれ考えて、根掘り葉掘り情報を求めてくるはずである。

これが情報をより深く吟味する「システマティック処理」である。こういう時は、詳しい情報が伴わない口先だけの「お勧めです」はかえって逆効果かもしれない。

HSMでは、人が説得を受け容れるプロセスは、それをよく考えようとする意欲やそのために割ける気持ちや時間の余裕があるかどうかで異なる、と考える。

意欲や余裕があれば、ごく簡単な手がかりだけに頼らず、中身をじっくり吟味してから受け容れるかどうかを決める一方、それらがなければ吟味せずに、「誰が言っているか」などのわかりやすい手がかりで決める、というわけだ。

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